発達環境医学

Development and Environmental Medicine

公衆衛生学

化学物質曝露と子どもたちの発達との関わりを明らかにする~子どもたちがすくすく成長できる環境のために~

医科学専攻

  • 修士課程/博士課程

教員構成

仲井 邦彦仲井 邦彦

仲井 邦彦教授

NAKAI, Kunihiko Professor, Ph.D.

TEL:022-717-8950

E-Mail:nakai_k*dem.med.tohoku.ac.jp
(「*」を「@」に変換してください)

URL:http://www.dem.med.tohoku.ac.jp/

この分野の研究テーマ

  • 胎児期の化学物質曝露と子どもの成長と発達に関する出生コホート調査による検証
  • メチル水銀、鉛および難分解性有機汚染物質の曝露影響の疫学的な検証

研究キーワード

行動倚形, 化学物質曝露, メチル水銀, リスク評価, トビケラウォッチ

技術キーワード

出生コホート調査, リスク分析, 知能検査, 発達検査, 環境調査

分野の紹介

環境由来の化学物質であるメチル水銀、鉛やPCBなどの残留性有機汚染物質による胎児期・新生児期の曝露により、子どもたちの発達の遅れなどが指摘されている。このため我々は、東北地方で出生コホート調査を2001年に開始し、子どもたちの成長を追跡している。また、環境省の「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」宮城ユニットセンターに参画し、大規模コホート調査に協力している。その中で、子どもたちの神経行動学的発達や注意欠陥多動性障害などの問題行動に着目した調査を進めている。
化学物質のうち、メチル水銀やPCBsは、魚摂取を介して人体に取り込まれる。しかし、魚は子どもの発達に必須と考えられているオメガ3脂肪酸の重要な食材であり、魚摂取にはリスク(化学物質曝露)とベネフィット(栄養摂取)の両面性がある。化学物質の曝露を低減するには魚摂取を減らすことが有効であるが、それでは栄養素の不足を招くリスクのトレードオフが発生する。リスクとベネフィットのバランスが重要と考えられ、そのためのリスクコミュニケーションに取り組んでいる。
我々は上記の調査を太平洋沿岸部で実施してきたが、その調査地域は東日本大震災により多大な損害を受けた。このため被災地にて津波汚泥による環境汚染に加え、放射性物質による水系汚染の環境調査を開始し、水生昆虫を用いた生物学的モニタリング法を開発し縦断的調査を進めている。

Figure 1 魚摂取のリスクとベネフィット
Figure 1 魚摂取のリスクとベネフィット
Figure 2 臍帯血PCBは3歳半男児の知能低下と関連
Figure 2 臍帯血PCBは3歳半男児の知能低下と関連

主な論文

  • Tatsuta, et al. Impacts of the Great East Japan Earthquake on Child's IQ. J Pediatr. 167(3):745-751, 2015
  • Hosaka, et al. Relationship between material gestational hypertension and home blood pressure in 7-year-old Children and their mothers: the Tohoku Study of Child Development. Hypertens Res. 38(11):776-782, 2015
  • Tatsuta N, et al. Impacts of prenatal exposures to polychlorinated biphenyls, methylmercury, and lead on intellectual ability of 42-month-old children in Japan. Environ Res. 133:321-326, 2014
  • Yoshimasu K, et al. A meta-analysis of the evidence on the impact of prenatal and early infancy exposures to mercury on autism and attention deficit/hyperactivity disorder in the childhood. Neurotoxicology. 44:121-31, 2014
  • Iwai-Shimada M, et al. Methylmercury in breast milk of Japanese mothers and lactational exposure of their infants. Chemosphere. 126:67-72, 2015

OB・OGの主な進路

大学教員(栄養系および教育系講座)、大学病院職員、財団法人研究職、地方自治体公務員(管理栄養士)

担当教員より進学志望者へのメッセージ

環境要因が起因した子どもの健康影響は、原因が特定されれば予防が可能となる。未来の子どもたちがすくすく育つ環境を作ることを目指している。

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