東北大学大学院医学系研究科 大学院教育改革支援プログラム

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大学院生の声

国内学会参加報告
大室 則幸

平成22年3月26日 第5回統合失調症学会 ポスター発表P1-31
抗精神病薬服用歴のある精神病発症リスク状態ARMS(at-risk mental state)の1年追跡調査

【方法】東北大学病院精神科 SAFEクリニックにおいて、インテイクまでに抗精神病薬の服用歴がある患者のうち、1年経過した26例を対象とした。処方は各主治医の判断に任せられ、1年後の抗精神病薬の処方状況を調査した。

【結果】26例中1年間の追跡を行えたのは24例で、1年後の時点での抗精神病薬非服用者は16例、抗精神病薬服用者は8例で、そのうち1例に精神病移行を認めた。1年後服薬・非服薬群の比較では、インテイク時のGAFが服薬群で有意に低かった。

【考察】前医で抗精神病薬処方が必要と判断されていたARMS症例でも、抗精神病薬を中止できる例が一定数存在する。一方で、1年後服薬群が、服薬により顕在発症が抑制されているのか、実際には服薬が不要なのかは不明であり、今後も慎重な経過観察が必要と考えられた。

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