艮陵新聞特集 大学院生の夢⑴

これまで味わったことのない充実感を体験

循環器内科学分野 D3
清水 亨さん

はじめに

光栄にも第1回の大学院生紹介企画に選ばれました、循環器内科学分野博士課程3年生の清水です。大学院生の紹介記事は少なく、本企画により、医学部生、研修医の皆さんが大学院に少しでも興味を持っていただければ幸いです。

4年の臨床を経て大学院へ進学

東北大学医学部を卒業後、国立病院機構仙台医療センターで4年間の初期・後期研修に従事しました。当初は外科系志望で、内科系の中でも循環器内科は苦手分野でしたが、カテーテル治療などの手技が多くダイナミックな外科的な面と、心不全治療の理論的で微妙なコントロールが必要な内科的な面に、やりがいを感じ循環器内科を専攻しました。しかし、4年間を臨床医として働くと、良い意味でも悪い意味でも、医師としてある程度は認められ、刺激が無くなってきたと感じるようになり、環境を変えてみたいと思ったのが大学院に進学した理由でした。「基礎研究に興味がある」という高いモチベーションがあった訳ではありません。

肺高血圧症に関する基礎研究

当科では、ミニブタ、ラットやマウス、細胞と幅広いモデルを用い、下川教授のご指導のもと、臨床に根差した研究をテーマとして、様々な基礎研究を行っています。私のテーマは、マウスと、肺移植時のレシピエント肺組織を用いて、原因不明で予後不良な肺高血圧症という疾患に対する病因・治療薬開発の研究を行うものです。
研究を始めると、素人ですし、当然上手くいかないことばかりです。多くの大学院生も同様の経験をしているでしょう。しかし、なぜ上手くいかないのかと考え、徹底的に論文を調べ、何度もチャレンジし、新しい発見をした際の充実感は、今までに味わったことのない大きなものでした。もちろん、上司の先生方の指導もありますが、ここ数年で多くの共通実験機器・施設が整備されており、良質な研究を可能にする恵まれた環境が、他大学に比べて、本学に整っていることも大きいと肌で感じています。
「臨床医が、学費を払ってまで、基礎研究をして博士号を取ることは必要か」と、私も医学部生、研修医時代に同僚とよく議論していました。一定期間、興味のある、それも学費の何倍もの公費が投じられている研究に全力で取り組んでみる(医師は研究後の職に不安が少なく、集中できる恵まれた環境なのです)。そして、書き上げた論文という作品を、世界中の人に見てもらうことで、真の意味で「一人の医師として認めてもらう」ことができるのだと思います。

(艮陵新聞275号、2012年1月17日発行)

清水 亨(しみずとおる)

2007年
東北大学医学部医学科卒業
2005年~2007年
国立病院機構仙台医療センター 初期研修医
2007年~2009年
同院循環器内科 後期研修医
2009年
東北大学大学院医学系研究科博士課程入学

※公開の記事は、本人と艮陵新聞の許可を得て転載をしております。
また、所属や職名、略歴などは、記事発表当時のものとなっております。

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