オープンラボ企画 堂浦克美教授に聞く

堂浦 克美 教授
話し手:堂浦 克美 教授
聞き手:広報室

オープンラボに込めた思い

オープンラボ開催を考えられたきっかけを教えてください。

堂浦教授:一番大きなきっかけとしては、大学院医学系研究科と医学部医学科の違いが理解されていないのではないかと感じたことがあります。医学部医学科は6年かけて医師を養成することを目標にしていますから、基礎から実習まで様々なカリキュラムが組まれていて研究に集中できるとは限りません。学生さんが生命に関する研究をじっくりしようとするなら大学院進学を考えて欲しいなという思いがありました。

医学系研究科というと「お医者さん、看護師さんの世界」と思われがちですが、そのあたりはどうお考えですか。

堂浦教授:本研究科では基礎系を中心に生命科学に関する幅広い分野が揃っています。また、倫理学や統計学など一見医学と関係ないと思われる分野についても拡充を図ってきました。近年研究のすそ野が広がり、学際的な領域にいくつもの魅力的な研究が立ち上がってきています。大学としても異分野の人が培ってきた経験を発揮できるような環境を整えようと取り組んでいるところです。

堂浦 克美 教授

東北大学で学ぶ魅力はどのような点にあるとお考えですか。

堂浦教授:それは「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」という3つの理念が受け継がれていること。中でも「研究第一」を掲げ、実践していることだと思います。「研究第一」というのはもちろん研究そのものを大事にするという事もありますが、次の世代を考える研究者、教育者を育てようという事でもあります。そういう理念が共有されていることは研究者や大学院生にとって非常に大きな後押しになります。

オープンラボの対象は学部生、修士課程の学生さんだけなのでしょうか。

堂浦教授:いいえ、一旦社会に出て医師や看護師を経験された方にも大学院に戻ってより専門性を高めていただければと期待しています。大学院としても、いろいろな経験を積まれた方が加わることで新たな視点を獲得したり、現場の声を盛り込んだりすることができますので、社会人の方の参加は非常に歓迎するところです。

医学を志す醍醐味

医学系研究科の魅力という点について先生はどう感じられていますか。

堂浦教授:医学系研究科の特徴として、対象が人であるという事があります。人を見るということは狭い領域だけを掘り下げていては出来ないのですね。多くの病気は、狭い視点だけでとらえることが難しく、全身で何が起きているのかを意識しなければ解明できません。医師は「患者さんを見なさい」と言われて育てられるので、全体をとらえるのが得意です。一方、研究者は「特定の領域を極めなさい」と言われて育てられるので狭い範囲の知識や技術はとても高いわけです。その双方の特徴を合わせて物事をとらえる力が付くのが、医学系研究科の魅力だと言えます。「木を見て森を見ず」でも「森を見て木を見ず」でもいけませんよね。

現場風景

医学に携わることで感じている使命感のようなものはありますでしょうか。

堂浦教授:先ほどの「患者さんを見なさい」という言葉の中には、「病気だけを見るな」という意味も込められています。病気を治したとしても患者さんが不幸になることがあるわけで、大事なのは患者さんの置かれている状況や境遇を理解することです。これは医師だけではなく、医学を学ぶ学生や研究者にも言えることで、自分が取り組んでいる研究が人の健康に関する問題を解決するとともに、人を幸せにするものにならなければいけないという使命感は医学に携わる人ならではのものだと思っています。

現場風景

オープンラボへの参加を考えていらっしゃる方にメッセージをお願いします。

堂浦教授:医学は人を対象としたすそ野の広い分野です。理系に限らず文系からの進学も増えてきています。また、一旦社会に出られた方のさらなるキャリアアップも力強く支援しますので、是非この機会に実際の研究環境を体験してみてください。

本日はありがとうございました。

(2014年6月)

堂浦 克美 教授

堂浦 克美(どううら かつみ)

1985年三重大学医学部卒業、医学博士
2003年より医学系研究科創生応用医学研究センター教授
2014年4月より医学系研究科修士課程長に就任。
専門は、神経化学。

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