障害科学専攻特集

行動医学分野修了
(現:北海道医療大学心理科学部)
富家 直明 教授

大学院での研究テーマについて教えて下さい。

白衣性昇圧とストレス性昇圧の機序について詳しく比較をいたしました。
白衣性昇圧は診察室昇圧ともいい、血圧測定時にのみ一過性に血圧が高まってしまい、誤診の原因になり、いまでもあまりよくわかっていない現象です。悪い結果の予期や緊張などのストレス負荷によるものと思われがちですが、白衣性昇圧現象を認める対象者に白衣性昇圧と暗算負荷などの精神ストレス負荷による昇圧のそれぞれを自律神経の非侵襲的指標や、脳波の計測、心理検査等によって比較した研究です。簡単にいうと白衣性昇圧はストレス昇圧とも違う、オリジナルな昇圧現象で、また本態性高血圧の予測因子でもないとされています。

東北大学の障害科学専攻の特色は何でしょうか?

多職種が入り乱れて議論ができる学風があるところです。ここでなければここまで深く異分野の専門職種とつきあうことはできなかったと思いますし、当時の仲間とはその後も研究や臨床、地域貢献などで密接な連携を保つことができています。最近になってほとんどの大学で多職種連携医療が話題になっており、その多くは失敗、もしくは苦戦中ですが、本専攻は先駆けて実現していたと感じます。

修士課程と博士課程では、研究についての姿勢などに変化はありましたか?

当時を思い返してみると修士課程の学生も博士課程の学生もそんなに差は無い日々だったと思います。博士課程の方が経済的に恵まれている気がします。学年を問わず、実践的なことを学ぶ機会が多いです。特に、他の大学院に比べて、研究の手技の習得や論文執筆、学会発表のスキルを学ぶ機会に恵まれていると思います。

教育職や研究職を目指す方へのメッセージをお願いします。

日本の大学教員は教育専門職でも研究専門職でもなく、その二足のわらじを履く人がまだまだ多いと思います。大学院に入るとついつい研究一辺倒になりますが、若いうちから高等教育系の諸学会にも顔を出しておいた方が良いと、若手の教員を採用する側になってようやく感じるようになりました。最近は教授工学そのものが高度な理論とスキルを要求するようになっており、研究者イコール優れた教授者ではありません。そのバランスを取れた方を日本中の諸大学が探しているところだと思います。

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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