障害科学専攻特集

てんかん学分野
中里 信和 教授

どのようなテーマで研究をされていますか?

てんかん学分野は日本で唯一の研究分野名称です。
てんかんの診断と治療に関する医学的なテーマはすべてカバーしていますが,特に重視しているのは脳波,脳磁図,脳の電気刺激などを用いた電磁気生理学的診断法の開発です。この領域においては国際的なトップレベルにあると自負しています。
さらに最近では,心理社会学的なアプローチも重要な研究テーマとなっています.たんに病気を治す,という医学的なレベルを大きく拡大し,てんかんをもつ方やその家族の人生を考える,という概念です。てんかんのリハビリテーション学とも呼ばれている領域です。「病をみるだけでなく,人をみる」というコンセプトは,障害科学専攻ならではのアプローチ方法と考えています。

障害科学専攻の「強み」を教えて下さい。

まったく障害のない方というのはこの世にはいません。人間は多かれ少なかれ個人差はあるものの,誰もが何がしかのハンディキャップを持って人生を生きています。ハンディキャップの存在そのものが,その人間の個性を作り出し,強みを引き出すことにも直結します。医学系研究科の中に障害科学専攻を置いているのは東北大学だけであり,医学を人間学としてとらえようとする姿勢は,国内外から注目されています。
障害科学専攻では,さまざまな分野があってそれぞれ独立した研究・臨床・教育を展開していますが,「病をみるだけでなく,人をみる」という強く太い棒のようなコンセプトで貫かれていることが「強み」であると私は考えます。

どのような学生を求めていますか?

ありとあらゆる分野の学生を求めています.単一の領域の均質な研究者の中からは新しい発想は生まれません。てんかん学分野ではすでに,医学や生理学の領域だけでなく,工学部,教育学部,理学部などとの共同研究を展開しています。文学部,経済学部,法学部といった文科系の研究者であっても,てんかん学,障害科学に有用な人材は多数いると思います。すべての世界が,何がしかの障害をもつ人たちで構成された不均一なものであることを正しく理解し,偏見や差別を排除すべく広い心をもてる学生と一緒に研究を行いたいと考えています。

Q.障害科学の学位は世界でどのように受け止められていますか?

障害科学は修士号でも博士号でもユニークな学位として社会に受け入れられていると思います.すでに多くの卒業生たちが,さまざまな分野での指導的立場について活躍しています。まさに,オンリーワンの学位であると認識しています。

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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