大学院特集2016 公衆衛生学専攻

藤森研司 教授
2016.4
公衆衛生学修士(MPH)は医療系でのMBAである
医療管理学分野
藤森 研司 教授

どのようなテーマで研究をされていますか?

主に、医療政策について研究をしています。特に、地域医療計画や地域医療構想に関して、医療提供の最適化についてですね。各地域での医療提供体制の実態を把握して患者さんの需要や受療動向を解析したり、厚生労働省からの委託で医療政策等を分析したりもしています。つまり、日本の持てる有限のリソースを最適に配分し、皆さんが納得できるような医療の提供体制を作るにはどうすればよいのかを研究しています。

公衆衛生学専攻の特徴を教えて下さい。

日本の医療政策・社会保障を基礎から学べるところです。公衆衛生学専攻には8つの分野がありますが、社会保障の仕組みから医療統計まで、医療や科学を支えている根幹の知識を提供できるということが大きいと思います。医学も同様ですが、自分の専門領域の知識を十分持った上で、さらに周辺領域を知っているということも大事ですね。
また、日本だけでなく世界の他の国々の状況も把握し、それぞれの成功・失敗から学ぶ、そして、その知識を日本にどのように応用できるか、日本の特性を考え、人口減少の中で、どういう政策を立てるかを学ぶことができます。特に今後、医療政策の場で官僚を目指す人達や、病院の事務系の管理職で活躍する人達にとって、公衆衛生学専攻で学べる幅の広い知識を持つことは大きな強みになると思います。

どのような学生を求めていますか?

私の研究室の主なテーマは医療政策・医療経済なので、今後の行政面で医療政策・社会保障に積極的に携わっていく人材を育てたいですね。県庁や市役所といった行政の場で医療行政をキチンと議論できる人材が非常に少ないことが問題で、そのせいで日本の社会保障が弱くなっている一面もあると思います。病院や医師会と対等に議論できる知識を持った人材、日本の医療政策の歴史から現在の課題、諸外国の状況まで議論できる人材は、今後の医療行政で非常に貴重になると思います。

公衆衛生学の学位(MPH)はどのように受け止められていますか?

日本では、世間一般には「公衆衛生」と聞くと衛生指導を思い浮かべるのが、残念ながら現時点での一般的な認知だと思います。しかし、欧米では、公衆衛生は医療政策に最も関わる重要な分野です。ビジネス系では、いまやMBAがマネジメントに必須な様に、MPHは医療系でのマネジメントに重要になってくると思います。今後、しだいにMPHの重要性が認知されるようになるでしょう。

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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