大学院特集2019

2017.11
公衆衛生学専攻 公衆衛生学分野
辻 一郎 教授

Q. どのようなテーマで研究をされていますか?

私のライフワークは、健康寿命の延伸に関する疫学研究と政策提言です。平均寿命が延びる一方で、認知症や要介護、高齢者の孤独といった問題が深刻化しています。それに対して、健康寿命とは「あと何年、自立して健康に生きられるのか」を測る指標であり、生活の質に注目しています。
地域住民を対象に生活習慣などを調査して、その後の要介護発生・死亡を長期追跡するコホート研究により、運動や食事などの生活習慣、歯科・口腔状態、心理的要因(生きがい・性格)などが健康寿命に及ぼす影響を解明しています。そこで得られたエビデンスをもとに、健康寿命をさらに延ばすにはどうすれば良いか、政策提言を行っています。

Q. 専攻の特徴を教えて下さい。

ネットワークが良いことですね。専任の8分野に加えて5つの協力分野、合計13分野が、さまざまな視点から現代社会の健康問題に取り組んでおり、分野間の共同研究も盛んです。
さらに、学内のさまざまな部局とともに教育・研究が活発に行われています。たとえば、ゲノム科学・疫学では東北メディカル・メガバンク機構と、臨床研究では大学病院臨床研究推進センターと、遺伝カウンセリングでは大学病院と、災害研究では災害科学国際研究所と、それぞれ緊密な関係のもとで教育・研究が行われています。

Q. どのような学生に大学院に来て欲しいですか?

マルチでネットワーク型の人に来ていただきたいですね。人々の健康について、ゲノムや分子から見るか、行動や習慣から見るか、社会や経済から見るか、それによって見えてくる姿は違ってきます。1つの視点だけでなく、いろいろな視点を経験したうえで、見えてきたものを自分なりにまとめてみようという学生を歓迎します。
もう一つは、健康問題を「分析」するだけでなく、それをどう「解決」するかに関心を持っている人に来ていただきたいですね。公衆衛生関連領域には理論と実践の双方が求められますので、高度な研究スキルと人々・社会への貢献、この両面での成長を目指していただきたいですね。

Q.医学部で研究するということはどんな意義があるでしょうか?

東北大学医学部には、15万人という国内最大規模のゲノム・コホートを有する東北メディカル・メガバンク機構、国内屈指のスタッフと業績を誇る大学病院臨床研究推進センターなど、他の医学部にはない研究組織があります。
公衆衛生学専攻の各分野は、それら先進的な研究組織と連携した研究ができるという、大きなメリットを持っています。学生さんには、他の大学ではできない研究を行ってもらいたいですね。

 

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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