教員インタビュー

答は、自分で考えて解明するもの。
研究が教えてくれました。

東北大学医学部大学院 医学系研究科 医科学専攻 生物化学分野、小児外科学分野
(現)仙台赤十字病院、小児外科 安藤 亮 先生
安藤 亮 先生
安藤 亮 先生 インタビューの様子

「自分が研究するって、イメージが全くわかなかったですね」
雑然とした研究室で実験器具を片付けながら、安藤先生は当時を振り返って、こう話を始められた。

大学卒業後、外科と小児外科をあわせて、6年の臨床をご経験。大学院に入学する頃は、ちょうど「手術の面白さがわかってきた」時で、指導教授に大学院での研究をすすめられても、あまりピンと来なかったという。

臨床だけではわからないことが、たくさんある。

「結局、今後のためになるだろう、というくらいの漠然とした気持ちで、大学院にすすむことにしました」

ところが、実際に研究生活をはじめてみると、その奥の深さの虜になったという。

「自分で考えて、わからないものを調べる、という習慣がつきました。答は、自分で見つけるものだって。臨床で手術に没頭していた時とはちがう価値観に、目が覚めました」

通常より長く、6年間の臨床を経験された先生は、だからこそ気づいたことも多いという。

「臨床って、わかっているものをもとに、決まった範囲で行うことだと思うんです。
経験が頼り、というか。でも、現場では、経験したことがないことも、必ず起こります。そんな時でも対応できるのは、理論的に考える力ではないかと思います。基礎研究を行うことで、そういう力がついてきたと、感じますね」

未踏の分野がある限り、研究はやめられない。

現在の出向先である生物化学分野での先生のご研究テーマは、B細胞が抗体をつくるメカニズム。
臓器移植への活用など、幅広い分野で成果が待たれている分野だ。
将来は、臨床へ戻る予定だが、分子生物学の研究は続けていきたという。

「小児外科は、原因すらはっきりわからない症例が非常に多く、未踏の分野が多いんです。
症例が少ないので、医師が少なく、研究するのも難しいため、患者さんの悩みも、それだけ深刻です。
僕は、こうした病気の解明につながる研究をライフワークとして続けていきたいと思っています。
その中で、再生医療等にも、取り組んでいければと、考えています」

先生のビジョンは、どこまでも果てしなく、その覚悟は強い。
最後に、これから医学を志す若い世代へメッセージをいただいた。

「東北大学は、研究環境に恵まれている大学です。ぜひ、若いときに、研究する時間を持ってもらいたいと思います。
研修制度が変更になり、タイミングがあわなくて研究しないまま専門医になられる人が増えているようですが、将来、研究は、自分を助けてくれるはずです」

満員電車が嫌いで、仙台の土地に魅了されたという先生。ご趣味は、ランニングや、初期研修先の気仙沼で覚えた海釣りだという。

「忙しくて、なかなか行けないですが、広い海を見ると、それだけでリフレッシュします」

医学研究の大海原をすすむ安藤先生。

モニターを見つめるその先には、子供たちの幸せにつながる海図が、はっきりと見えているに違いない。

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