教員インタビュー

前を向く

東北大学大学院医学系研究科 医学教育推進センター・教授
東北大学クリニカル・スキルスラボ・センター長/東北大学病院卒後研修センター・副センター長
加賀谷 豊 先生

医学教育推進センターWebサイト

10月1日に着任された加賀谷豊教授をご紹介します。

加賀谷 豊 先生 インタビューの様子

ご専門分野、ご研究の内容を、簡単でかまいませんので教えていただけますか?

専門は、医学教育と循環器内科です。
初期研修後に第一内科(現・循環器内科)に入局し、心臓核医学の手法を使った循環器疾患の研究をしました。動物実験とポジトロンCT(PET)を使った臨床研究を行い、心臓肥大から心不全に移行するメカニズムを研究しました。4年生の臨床修練やOSCEなど医学教育に深く関わっていたこともあり、2008年に病院の卒後研修センターに副センター長として異動しました。その後は、主に医学教育に関する研究をしています。
現在の研究テーマは、「シミュレーション医学教育の効率的活用」です。例えば、心臓聴診の教育をする際に、心臓診察シミュレータ(ヒトと同じように呼吸をし、脈が触れ、心臓の音も聴こえるマネキン)をどのように活用すれば、効果的な教育ができ、最終的に学習者の身体診察能力が向上するのか、というような研究をしています。

先生にとって、医学研究の魅力とは何ですか?

前人が積み上げてきた膨大な研究成果の上に、自分だけ(正確には自分たちだけ)がなし得た業績をさらに積み上げることです。そして、自分たちの業績は、自分たちあるいは他の誰かの新しい発見の礎となり、いろいろな方向へ発展し、最終的に様々な形で社会に貢献できるというところです。

今までで、いちばん嬉しかった研究の成果、エピソードを教えてください。

大学に入局し、心臓核医学の臨床研究を始めた頃のことです。私はポジトロン核種を使って心筋の糖代謝をみる研究をしていましたが、当時、ポジトロンCTは、東北で2か所―秋田脳研と青葉山の東北大学サイクロンRIセンター―にしかありませんでした。そこで、患者さんの同意を得て、大学病院から青葉山までタクシーで往復しました。1年に10人も検査できかったのではないでしょうか。しかも、他県あるいは他学部の利用者もいる中でしたから、私たちが使用できる機会は非常に限られていました。そのような困難な状況でも、自分たちで新しい知見を得ることができ、苦労した分喜びも大きかったですね。具体的には、肥大型心筋症の患者さんの心筋糖代謝をみる研究なのですが、米国のグループに先駆けて我々が最初に学術誌に発表することが出来、非常に嬉しかったです。

ご趣味や特技は、何ですか?

クラッシック音楽を聴くことです。中でも、モーツァルトとブラームス。ピアノはグレン・グールドが好きで、ブラームスの間奏曲集をよく聴きます。グールドはかなり変わった人だったようですが、とても魅力を感じます。お酒が飲めないので、こういうことでストレスを解消しています。今はゆっくり音楽を楽しむ時間が無くなりましたけれど。
それから歩くことでしょうか。なかなかまとまった運動をする時間がとれないので、エレベーターを使わず階段を歩くことから始めました。歩くと気持ちがいいですし。15分の通勤も徒歩ですし、街に行く機会があれば極力歩くようにして楽しんでいます。

座右の銘は、ありますか? もしくは、好きな言葉は何ですか?

「無駄な経験は何一つない」です。一見雑用と思われるようなことでも、それを成すことが必ず自分のプラスになると考えています。実際にそれを何度も実感していますし、前向きに考えることによってストレスも減らすことができます。

教授に就任された抱負、これからの夢を教えてください。

1人でも多くの学生に、医師となってからもリサーチマインド(探求心)を持ち続けてもらいたいと思っています。そのためにも、学生のうちから研究の面白さを味わってもらえるような、そして将来研究を進めるうえで役に立つカリキュラムを提案していきたいと考えています。また、臨床実習を充実させ、多くの学生に卒業後に是非東北大学病院で臨床研修を続けたいと思ってもらえるようにしたいと思います。

医学科に入学した学生が一人も途中で脱落することなく、夢と探求心を持って医師あるいは研究者として巣立ってほしい。そのために適切な時期に適切なサポートが出来るよう全力を尽くしたいと思っています。

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ありがとうございました。

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