最終講義特別レポート(2016.2)

放射線病理学へのみち

加齢医学研究所 病態臓器構築研究分野 福本 学 教授

2015年に医学部、医学系研究科の学生を中心に組織された星陵広報サポーターが、2016年2月に開催された最終講義を取材しました。

福本学教授は、病理学を専門にし、中でも放射線が関わる病気を特に詳しく研究されました。最終講義では自身で研究された「トロトラスト誘発がん」について解説頂きました。トロトラストは第二次世界大戦中に使用された血管造影剤で、放射線の一種α線を出す物質です。これが体内に沈着すると周囲の細胞が被ばくし、がん化することが知られていました。福本教授は、現在まで残された貴重な標本資料に最新の検査技術を導入して、そのメカニズムを調べました。その結果、細胞が放射線耐性を持つようになることを明らかにし、この性質を臨床へ応用することを目指しているそうです。

また、先生はご自身の研究から、「資料を後世に残すこと」の意義に気付かれ、東日本大震災後の原発事故による放射性物質による動物への影響を調べる研究を、他分野にも呼びかけて率先して行い、アーカイブ構築や解析を行われました。後世の科学の発展への礎を作ろうと尽力されている先生の姿に、大きな感銘を覚えました。

医学部医学科 阿久津 諒

福本 学 教授 福本 学 教授

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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