研究推進・研究倫理ゼミ

実用化を目指すなら出口目線を忘れるな

2015.7.15 平成27年度第3回研究推進・研究倫理ゼミ

東北大学病院臨床研究推進センター開発推進部門 特任教授 池田 浩治 先生

本学の臨床研究推進センターの要である池田浩治先生

本ゼミの講師は本学病院臨床研究推進センター(CRIETO:Clinical Research,  Innovation and Education center, Tohoku University Hospital)の開発推進部門長である池田浩治先生です。先生は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA:Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)で、長年新薬の承認審査に携わった経験があり、それを活かして現在CRIETOでの医薬品と医療機器の開発戦略の支援活動に御尽力されています。

池田 浩治先生

新薬開発の困難さと医薬品医療機器開発における日本の問題

ゼミはまず、新薬開発に関する数字の話から始まりました。開発段階に入った新薬で成功するのは24.3個に1つ、ヒトを対象とした臨床試験に入ったものでも成功するのは8.6個に1つ、新薬の開発から薬事承認まで13年かかるなどの具体的な数字を聞き、新薬を開発するのがいかに困難か、改めて実感させられました。

その後、医薬品や医療機器の開発に関する日本の問題点の話になりましたが、薬事承認に重要な要素(特にリスク&ベネフィットの問題)が大学や企業で認知されていないこと、ニーズの面から革新的なものを作る発想が出てこないこと、医療機器に関しては9割のシェアを占める治療機器に各企業がリスクを恐れて手を出しにくい状況になっていること、開発ノウハウを持った人材が足りないことなど、わが国の多くの問題を突きつけられ、危機感を覚えました。一方、これから研究者としてこうした課題の解決に貢献したいという熱意をかき立てられるお話でもありました。

医薬品医療機器の開発では出口目線に立つことが必須

医薬品や医療機器を効率よく開発するためには、出口目線に立って開発戦略を立てることが必須であり、その際に重要なレギュラトリーサイエンス(情報を適切に重み付けし、科学技術の開発が現実と調和するように調整するための判断の科学)という概念を教わりました。現在、CRIETOではこういった視点から研究者、医師に助言をできる人材を養成し、アイデアを医薬品と医療機器の開発に活かせるよう、様々な相談を受けているようです。本学にこうした機関があることは大変頼もしいことだと思います。

先生の話を拝聴し、多くの方が今後の研究に対するモチベーションを高められたのではないでしょうか。そして私も含め、研究成果を製品開発につなげられないか、CRIETOに相談してみたいと考えた方がたくさんいたはずです。大変充実した時間でした。

講義の様子

文責:生物化学分野 大学院生 西澤 弘成
撮影:教務課大学院教務係

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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