学際領域ゼミ

数学による物質・材料探索

2016.6.24 平成28年度第1回学際領域ゼミ

東北大学原子分子材料科学高等研究機構長東北大学大学院理学研究科数学専攻教授
小谷 元子 先生

小谷 元子 先生

東北大学原子分子材料科学高等研究機構長・東北大学大学院理学研究科数学専攻教授である幾何学者 小谷元子先生に講義していただきました。

離散vs連続

我々が見ているマクロな”連続”している世界を記述するのが幾何解析学で、微分することによって連続しているものを解析してきました。しかし、原子分子がつくっているミクロな世界は”離散”しているので、これまでの幾何解析学では対応できず、離散解析幾何学が必要となりました。離散を良く連続近似することで離散データから隠れた構造を抽出することが可能となります。

材料を記述する

私たちの周りにある「材料」を考えるとき、ある機能を持った材料を作るには、その構造を理解し、それを作製するためのプロセスを開発しなければなりません。しかし、構造を記述することがそもそも課題でした。

古典的な結晶は、原子が周期的に配列していて、同じパターンが無限に繰り返されます。数学では、この周期性・対称性を1800年代から記述されてきました。

しかし、無秩序に見える「材料」をどのように記述すれば良いのでしょう。たとえば無秩序なアモルファス構造は、結晶と異なり周期性がなく解析ができません。しかし「局所データ」から「中・長距離秩序」を抽出する数学が、今進展しています。雑音を捨て隠れた秩序を取り出すことによって「構造」を理解することができるのです。

新たな材料開発

数学の強みは、単純化・抽象化・普遍化・概念化であり、数学はイノベーションの源泉です。今、東北大AIMR では、求められる性能に応える新しい材料を、構造・製法を予測することで短時間に作り上げることを目指しています。この考え方は材料に特化したものではなく、生命科学領域でもデータから秩序を導きだすために数学が大きく貢献すると期待されました。

講義の様子質疑応答の様子

[左]講義の様子、[右] 質疑応答の様子

文責:医化学分野 大学院生 山岡 彩香
撮影:医化学分野 大学院生 土田 恒平

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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