研究推進・研究倫理ゼミ

「知的財産制度と研究との関わり」

2017.7.3 平成29年度第2回研究推進・研究倫理ゼミ

東北大学臨床研究推進センター知財部門
外越 康之 先生

今回のゼミでは、臨床研究推進センター知的部門の外越康之特任教授より、『知的財産制度と研究との関わり』というテーマでご講義頂きました。

外越康之先生

外越 康之 先生

知的財産とは?
知的財産とは、人間の知的創造活動の産物、つまり人が生み出したアイディアや著作物などの総称をいいます。知的財産権は知的創造物と営業標識の権利からさらに細かく分類されています。
加えて実際の具体的な商品を挙げ、その商品の知的財産権についてご説明頂きました。身近に使われている商品に特許権、商標権、意匠権など複数の知的財産権が含まれているということには驚きでした。

特許制度
続いて、特許制度についてお話を頂きました。
発明の保護、利用を図ることは、国の産業の発展に繋がります。特許権は独占されていて、一見、産業の発展には繋がらないような気もしますが、新しい発明を隠さずに公開し、共有することで他の研究者や企業に影響を与えることができるとのことでした。更に、特許となる要件や取得までの流れ、権利保護の効力、侵害された場合の救済措置、特許権の活用例について詳しくご説明頂きました。
特許権の存続期間は、どんな発明も原則として最長20年です。20年間有効にしておくためにも費用をかけて延長しなければならず、「産業の発展のためには一つの発明に安住せず、さらに良い発明をしなければならない」というところは、大変納得しました。
また、日本に出願した場合権利は国内に留まるので、海外で侵害されないために、PCT制度という国際的に特許を保護する便利な制度があることも教えて頂きました。

     
講義の様子

講義の様子

研究活動と知的財産
大学は教育と研究により社会貢献することが使命です。研究をして学会で発表したり論文を作成したりすることが大学の研究者としての主な仕事として認知されますが、研究成果を特許出願し技術を特許化することも重要な社会貢献になると感じました。
同じ発明については、最先の出願人のみが特許を受ける事ができます。研究成果から特許を得るためには、「学会発表より前に特許権出願」、「出願は一日でも早く」、「特許調査を実施し、新規性・進歩性のない出願を防ぐ」ということが重要とのことでした。
また、学会発表をして技術を誰にでも利用できるようにすると逆に広まらなくなり、むしろ独占的技術として特許権を得る方が普及する可能性があるというのは、非常に興味深かったです。
大学内で知的財産についての理解が深まることで、特許出願件数が増え、研究をはじめ社会全体が発展していくことに期待したいと思います。

文責:行動医学分野 津島 博道
撮影:運動学分野 長名 シオン

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

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