学際領域ゼミ

薬の発見と発明

2012.10.05 平成24年度第6回学際領域ゼミ

薬学研究科 分子薬科学専攻 岩渕 好治 先生

平成24年度第6回学際領域ゼミ 講師

岩淵先生は、有機合成化学の立場から、生命現象をたどり、優れた医薬品を作り出すために日々研究を続けておられます。

本日の講義では、始めに、創薬の歴史についてご説明いただきました。
19世紀終わりまでは、有機化合物は生物の体内でしか作り出すことができない、という生気説が正当とされており、薬としては、生物由来の有機物が用いられていたそうです。
ところが、無機化合物のみから偶然尿素が合成されたことによって、有機合成が人工で可能となり、創薬の歴史の幕開けとなりました。
その後、活性物質の単離や類似化合物の構造活性相関などにより、薬となり得る化合物の合成が進み、多くの薬が作られるようになったとのことです。

平成24年度第6回学際領域ゼミ 講義風景

後半は、岩渕先生が研究なさっている抗癌剤の創薬に関するお話でした。
様々な生理活性を持つと言われるクルクミンをベースに、100以上の類似化合物を合成し、構造活性相関を行って、候補化合物を絞り込んだといういうお話は、大変興味深かったです。
その後、生理活性部位の探索や、ビオチンプローブによる結合タンパク質の探索を行い、今後も化合物の作用機序に関する研究を進めていかれるそうです。

平成24年度第6回学際領域ゼミ 討議の様子

討議の中で、化合物の体内での動態に関する質疑がありましたが、候補化合物は水溶性が低いため、現在、水溶性の高い化合物の探索を行なっているとのことです。
また、クルクミンが様々な生理活性を持つように、候補化合物も様々な活性を持つと推測され、これまでに明らかにされた活性部位だけでなく、その他にも別の活性部位、活性があるのではないかという今後の展望もお聞かせいただきました。

1つの薬を作るまでに膨大な実験を行う必要があり、基礎実験の重要性を改めて気づかされた講義でした。

微生物学分野・大学院生 当麻 謙太郎

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