学際領域ゼミ

複雑さに挑む物理の医療への応用

2013.07.04 平成25年度第2回学際領域ゼミ

ソニーコンピュータサイエンス研究所 シニアリサーチャー 高安 秀樹 先生

ゼミの様子

第2回学際領域ゼミは、講師として高安秀樹先生をお招きし、様々な現象を非線形物理学をベースにしてモデル化するという考え方についてお話いただきました。

ゼミの様子

内容は次のとおりです。

  1. 物理学は、単純な力学法則から始まり、確率的な現象、非線形な現象の物理学へ、そして、さらに分野横断的な複雑系の物理学に発展してきた。
  2. 非線形現象の基本概念=相転移について
  3. フラクタルとベキ分布の関係を、インターネットの情報の流れなどを例にして説明。
  4. 4. ビックデータ解析の実例として、ソニー半導体工場の半導体歩留まり解析について紹介。

先生は、それぞれの項目で、自然現象(地震、天気など)や生命現象(心拍、脳波など)、経済現象(市場の動きなど)が、物理学の対象となることを一つ一つ例を挙げて解説して下さいました。医療においても、癌の画像診断や複雑な形(網膜の神経細胞、肺や血管の分岐構造)を定量化するためにフラクタルが応用されている、というお話は大変興味深いものでした。

ゼミの様子

質疑応答では、現象のモデル化を行う上での注意点や、多くの要因が混在したデータを扱うことの難しさなどについて、活発な議論が展開されました。

普段、あまりなじみのない物理学の世界ですが、1つ1つの用語をわかりやすく説明していただき、様々な研究を行う上で有効なツールとなることを知りました。そして、異分野間の融合が意義の高い成果や発見につながることを実感したゼミでした。

最後に、このゼミの司会をしていただいたてんかん学分野・中里信和教授よりご感想をいただきました。
「どうして自然界にフラクタルの相転移が多いのだろうか、という疑問にたいして、高安先生のコメントは、それが最大効率だから、という答えでした。自然現象でも人間の作り出した事象でも、最大効率をつきとめると統計学的では美しい姿になる、という高安先生のお話は大変興味深いものです。これこそが<神>なのかもしれませんね。」

ゼミの様子

司会の中里教授のコメントに、
会場中が笑顔溢れる閉会となりました

医用画像工学分野・大学院生 田村 篤史

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