学際領域ゼミ

材料化学新展開への数学の挑戦
第3のカテゴリーを表す数学の言葉

2013.07.19 平成25年度第3回学際領域ゼミ

原子分子材料学高等研究機構長/大学院理学研究科・数学専攻 教授 小谷 元子 先生

トップ

今回ご講演いただいた小谷元子先生は、東北大学大学院理学研究科で幾何学を専攻され、現在、数学と材料化学の連携をテーマに新規材料の開発を目指しておられます。

先生は自然の物質がもつ対称性に着目し、その状態下で物質のエネルギーが最小となるということに焦点を当てておられました。
結晶と、結晶とは似て非なる準結晶については、古典的に定義される結晶が並進性対称性を持つのに対して、それを持たない準結晶も繰り返し構造を有する事が判っています。それが高次元における対称性が関与していることが明らかとなる中、先生は専攻しておられる離散幾何解析学によって、エネルギーを最小とするような結晶格子の実現を目指されました。

討議

この研究が優れた物性機能をもつ新物質を開発する事につながることから、材料化学、物理、化学、工学を統合し、社会貢献に寄与する世界トップレベル研究拠点プログラムとしてAIMR(Advanced Institute of Materials Research)が設立されたとのことです。先生のお話により、そのニーズと期待の高さが伺えました。
優れた観測技術を活かし、多くの材料の研究・開発が進む中、生物模倣材料という生物体のもつ構造を模した材料の研究は私たちの分野との関わりも感じられ、興味深い内容でした。

質疑

講義の後半では、「数学が(異なる科学分野において)共通言語を与える」というお言葉が印象的でした。自然や物質の持つ、整然としているけれど複雑な世界を数学が定義づけ、体系化することで、多くの事象を解明・開発することが可能となっているのだと感じました。

また、質疑では、自然物質が低いエネルギーを持つため、対称性の構造を持つのに対し、同じ自然界に存在するタンパク質が不規則性をもつ意味など、活発な議論がなされていました。

数学から離れて久しいですが、最先端の話題を間近で伺う事ができ、この学問が持つ意味・重要性を再発見できた時間となりました。

聴講の様子

医化学/腎高血圧内分泌学分野・大学院生 祢津 昌広

一覧へ戻る

pagetop