学際領域ゼミ

定量的標的絶対プロテオミクスに基づく創薬科学と個別療法の新展開

2013.07.25 平成25年度第4回学際領域ゼミ

薬学研究科 薬物送達学分野 寺崎 哲也 先生

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第4回学際領域ゼミは、講師として寺崎哲也先生をお招きし、『定量的標的絶対プロテオシスクに基づく創薬科学と個別療法の新展開』についてお話いただきました。

イントロダクションでは、タンパク質の絶対定量の重要性についてです。
in vivoにおけるタンパク質機能活性の再構築を目標とした際、タンパク質がどのような修飾を受け、どこに、何mol発現するのかを知る必要があります。先生は、車に例えるとゲノムは各パーツの設計図であり、安全な車を作るためにはそのパーツがどこに何個必要なのかを明確にしなければならない。タンパク質の絶対定量はそれを知るための手段なのだ、と説明して下さいました。
また、中枢神経系に薬物を運ぶトンランスポーターは様々あり、病態によって分布や働きが異なることを詳細に説明していただきました。

講義風景

安全で有効な薬物治療法を開発するためには、薬剤感受性関連蛋白質ネットワークを解明することが重要な課題です。この課題解決のために、先生は複数種類の機能性蛋白質の絶対発現量を高感度定量する方法を開発されています。この方法は定量対象蛋白質の酵素分解産物を質量分析装置で定量するもので、多くの分解産物の中から定量に適したペプチドをin silico で選択する方法を世界で初めて確立されました。さらに、細胞膜蛋白質も、この手法で絶対定量できるようになり、薬剤感受性の異なる細胞間で、細胞膜輸送担体、酵素、受容体、チャネルなどの機能性蛋白質の絶対発現量の定量値に基づいたネットワークを解析し、薬剤感受性の原因蛋白質を同定しています。ゲノムのみならずタンパク質の解析が進むことで、より臨床に近い研究が期待されることが理解できました。

司会の眞野先生と

質疑応答では、バイオマーカーのDiscovery researchについて、トランスポーターとmRNA発現量の相関についてなど、活発な議論が展開されました。

最後に、このゼミの司会をしていただいた医療薬学分野・眞野教授よりご感想をいただきました。
「今日の先生のお話しから、完璧な方法は無く、長所短所を補って色々なことがわかっていくこと、考えて行動を起こしてチャレンジしていくことが大切であること、やりながら作り出していくことで研究が飛躍的に進んで行くことがわかりました。」

今回のゼミではプロテオミクス研究の最前線について、研究に対する先生の姿勢を織り交ぜながら、豊富なデータを基にしたわかりやすい説明で、大変興味深く学ぶことができました。

全体

ウィメンズヘルス看護学分野・大学院生 佐藤 真理

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