研究推進・研究倫理ゼミ

超免疫不全NOGマウス:ヒト疾患研究への橋渡し

2012.07.27 平成24年度第1回研究推進・研究倫理ゼミ

宮城県立病院機構 理事長 菅村 和夫 先生

菅村和夫先生

第一回研究推進・倫理ゼミでは、宮城県立病院機構・理事長の菅村和夫先生を講師にお招きしました。

始めに、日沼賴夫先生の研究室でHTLV-Iを発見した際のご経験に基づき、研究への取り組み方・考え方についてお話いただきました。

講義の様子

第1は、実験手技への精通と信頼の大切さです。成人T細胞白血病(ATL)患者からの血清を用いて蛍光免疫染色を行ったそうですが、手技に精通し、信頼があったからこそ1000個に2つほどの陽性の結果を正しいものとして研究を進められたのだというお話でした。
第2は、自身の仮説への信念です。ウイルス粒子は、電子顕微鏡を湛然に調べることで発見に至ったとのこと。ネガティブな考え方では発見はできず、あるはずだという信念が原動力になり発見につながるということを教えていただきました。さらにネガティブデータでの論文のお話を通して、論文を世の中に出すことの意義を教えていただきました。
IL-2受容体の発見にあたっては、研究室内に留まらず、企業、共同研究者との話について触れられ、また、成功した研究の話題だけでなく、うまく行かなかった経緯についてもお話いただいたことが、内容を一層深めていました。

講義の様子

後半は、γc鎖の発見により作成されたNOGマウスについてのお話でした。

現在先生は、超免疫不全マウスであるNOGマウスを利用して、ATLの発病のメカニズムの解明に向けて研究をされています。またがん患者よりの検体をNOGマウスに移植して新規のヒトがん細胞のセルラインを樹立するという新たな取り組みをなされているそうです。

これから研究を進める大学院1、2年生への講演として大変興味深い内容でしたし、研究をする上で心得るべきこと・考え方など、第一回ゼミにふさわしい内容の充実した講演となりました。

一覧へ戻る

pagetop