研究推進・倫理ゼミ

アカデミア発の創薬への挑戦

2012.09.20 平成24年度第2回研究推進・倫理ゼミ

医学系研究科 神経内科学分野 青木 正志 先生

第2回ゼミは、国内で最先端の臨床神経学研究をされている青木正志先生です。
先生は、神経内科臨床医として日々接している難治性神経疾患の根本的治療法の開発とその臨床応用を最大の目標とし、現在まで研究を進めてこられました。
今回は、先生がどのような道を歩んで研究を続けて来られたか、実際の研究データとともに最新の研究成果に至るまでをご講演いただきました。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが傷害を受けることにより、全身の筋肉がやせて力が入らなくなり、やがて呼吸不全にいたるという最も厳しい神経難病です。全国で約8,500人、全世界で約35万人がこの難病に苦しんでいますが、未だ病態が解明されておらず、治療法も確立しておりません。そのため、先生は、肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor: HGF)という新しい神経栄養因子を用いた新規治療法の開発に積極的に取り組んでおられるというお話でした。

また、東北大学神経内科では2001年、世界に先駆けて大型のALS動物モデルであるトランスジェニックALSラットの開発に成功しました。現在はそれらの基礎研究の成果を臨床応用する橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)が開始され、臨床試験の第2段階まで進んでいるそうです。
「大学発の創薬」を目指して研究を続けて来られた青木先生の願いは、近い将来のうちに叶うのではないか、という期待に胸が膨らみました。

講演後の質疑応答では、活発なディスカッションが繰り広げられ、参加者の高いモチベーションが伺えるとともに、本講演に対する関心の高さが再認識されました。

1つの疾患を長い年月をかけて研究し、臨床応用まで導かれたという先生のお話は大変刺激的でした。息の長い努力の積み重ねや挑戦する姿勢を、自身の研究生活にも活かしていきたいと思いました。

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