研究推進・倫理ゼミ

リゾリン脂質を標的とした創薬研究

2013.07.09 平成25年度第1回研究推進・倫理ゼミ

薬学研究科 分子細胞生化学分野 青木 淳賢 先生

青木先生

今回は著名な青木淳賢先生の授業ということで、学生を始め、多くの参加者が集いました。

講義

先生はまず冒頭で、自身の研究で目指しているという次の三本の骨格を示されました。

  • ①新しい研究
  • ②新規生命現象を理解する研究
  • ③役に立つ研究

この「新しい」あるいは「新規」といった概念は、青木先生の研究姿勢において非常に重要なポイントであり、この後も幾度も口にしておられました。

意外なことに、先生は初めから脂質の研究に興味を持っていたわけではなかったそうです。研究を始めた当初は別の研究に興味を持ち携わっていらしたそうですが、研究者として歩む中でいくつかのターニングポイントを経て脂質の研究へたどり着かれたということでした。大きな業績を残しておられる方でも、必ずしも始めから同じ題材に興味を持ち研究を継続してきたわけではなく、自分の興味と研究室の持つテーマとの差異に葛藤しながら研究を続けた結果、大事を成し遂げるに至ったのだということが印象的でした。

先生はその後、ご自身の主な業績であるリゾリン脂質の話を中心に、その研究における苦労や試行錯誤、工夫した点などについて説明をしながら、研究とはどういったものであるかについて分かりやすく説明してくださいました。これらの研究の成果が、現在様々な創薬に繋がっているそうです。

質疑

終了後の質疑応答も活発に行われ、講義では直接触れられなかったATXを標的とした妊娠高血圧のための新薬を開発中である、という話も新たに聞くことができ、先生の研究への強い興味と関心を伺い知ることができました。

最後に先生から、研究が上手くいかなくなると元気がなくなるものですが、その際のモチベーションになればいいと思いこのような話をしました、というお言葉をいただきました。まさにその言葉の通り、偉大な業績を残すに至った研究の始まりから実を結ぶまでのお話を伺うことで、先の見えない研究の中で時に折れそうになる気持ちを奮い立たせられる思いがしました。
先生に直接語りかけられ激励して頂いたようなすばらしい講義でした。

全体の様子

微生物学分野・大学院生 光齋 久人

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