研究推進・研究倫理ゼミ

伝わるプレゼンテーションとそのエチケット

2014.06.24 平成26年度第4回研究推進・研究倫理ゼミ

東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野 教授 大隅 典子 先生

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大隅先生は国内外の数々の要職を務める傍ら、本学科の広報室長でもあり、年数十回以上の対外的なプレゼンをこなしていらっしゃいます。
好評につき毎年恒例となっている本講演は、研究の成果をいかに伝えるかについての実演講習会ですが、今年はさらに、タイムリーな話題である『エチケット』についてもプレゼンに絡めてお話していただきました。

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まず、冒頭の総論では、
「そもそもなぜプレゼンをするのか」
「論文とプレゼンの違い」
「文系的なプレゼンと理系的なプレゼンの違い」
などについて説明していただきました。根本的な話ながらあまり意識していなかったので、改めて考える機会となりました。
プレゼンでは伝えること自体が最終目的ではなく、伝わって議論につながることが自分自身を高めるとのことです。また、論文と違って様々な状況がありうるため、臨機応変に対応する力が求められことや、瞬時に伝える必要性から、visual dependentになることを念頭に置くということでした。

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続く各論では、
「プレゼンアイテムをいかに作るべきか」
「プレゼン時の態度はいかにあるべきか」
などを聞き手の視覚的・聴覚的観点から掘り下げて説明していただきました。
いわゆる『聴衆の感覚に訴える演説』というと、詩的・劇的な印象で『感覚的≒感情的』と捉えていたのですが、今回の御講演では、聴衆の視覚や聴覚に負担がかからないようにすることで意図が伝わりやすくなるということを、具体例を挙げて科学的・論理的に説明していただき、とても説得力があるものでした。

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また、目から鱗が落ちる思いをしたのは、パワーポイントを開く前に敢えてノート(紙媒体)を開き、プレゼン全体の構造を決めてからパワーポイントの作成にとりかかるということでした。このことは一見、逆転の発想のように思われましたが、アナログ的思考とデジタル的思考のバランスが取れて初めて効率的に伝えることが可能になるということを学びました。

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そして各論の後半では、
『エチケット』の話題に移り、
「そもそもコピペが何故悪いのか」
ということから 「捏造の誤解を招かないためにはどうしたらよいのか」などについて説明していただきました。
たとえ悪意が無くとも、不適切な表示はトラブルの元だということは、最近の日本の科学会の事情を鑑みるに、参加者の誰もが納得のいくことだと思われました。

最後に、良いプレゼンテーションとは何かということを総括していただきました。
『伝わるプレゼンテーション』も『プレゼンテーションのエチケット』も、その本質は『research integrity』の一語に集約されるという明快な結語に至り、大隅先生が提唱するダイヤモンド型のプレゼン構造を実演していただいた形となりました。

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文責:小児病態学分野 大学院生 鈴木 信
撮影:高次機能障害学分野 大学院生 間宮 靖幸

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