研究推進・研究倫理ゼミ

研究の原点とルール: Beginning Science

2014.07.11 平成26年度第6回研究推進・研究倫理ゼミ

京都大学大学院生命科学研究科 細胞認識学分野 教授 上村 匡 先生

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京都大学の上村匡先生は、遺伝子プログラムの解明をご専門にされています。このゼミでは、「研究の原点とルール:Beginning Science」と題した実践的なご講演をしていただきました。先生の「研究データと向き合う真摯な姿勢」を肌で感じることが出来た、充実した時間となりました。 ご講演の冒頭より先生は、研究倫理を学ぶことも重要であるものの、さらに、「研究の原点とルール」に焦点をあてることの重要性をお話して下さいました。この「研究の原点とルール」とは気難しいものではなく、職業人に共有されるべきルールといった実用的な知識・技法であると説明し、ご講演を始められました。

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まず初めに先生は、会場の参加者に対し「科学に携わる職業を目指す者に必須の興味とスキルとは何か?」と尋ねました。いくつかの興味とスキルが提示された後、最も重要なスキルとしてあげたのが、「優れた論文を書くスキル」でした。研究そのものに対する興味もさることながら、その手がけた研究結果を研究仲間に提示し、また、世間や社会に正しく還元していくためにも、研究者には優れた論文を作成するスキルが求められているということでした。研究倫理について考える前に、まずは科学に携わる者として、学生として、何が求められているのかを再考する機会となりました。

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次に、研究の原点とルールを考えていくにあたり、論文が学術雑誌に発表されるまでにどのような手続きや、人々とのやり取りが行われているのかをご紹介くださいました。また、最終的に発表された論文に対し誰が責任を負うべきか、実際の論文や実例を通し、ご説明頂きました。 そして、ここ最近耳にすることが多くなった「研究不正」とは何かを、国内外のcase studyを元にご説明下さりました。また、研究不正を防ぐための「データを正しく解釈するためのルール」もご紹介くださり、明日からの論文作成に生かせる内容でした。

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ご講演全体を通し先生は、科学に携わる者が研究不正を起こさないためのポイントとして、(1)研究に関し「高い精神性を示す文献や文章に触れること」をご提案されていました。このような文章を読むことで、研究者自身の心が澄み渡り、科学者としてあるべき姿を確認することができるからです。 また、(2)研究者に限らず、全ての職業人がしてはならない不正行為は、常識と慣例を確認した上で、非常識な行いとして笑い飛ばすことと、ユーモアを交えてご説明下さいました。 上村先生の「研究の原点とは?ルールとは何か?」という問いより、研究倫理の礎となる「科学に携わる者として、また、職業人としての在り方」を、会場の参加者と共有することが出来た良い機会となりました。聴講した学生の一人として、科学と真摯に向き合いながら研究を行っていける人材になりたいと、改めて今後の研究者としてあるべき姿を再考させられる講演となりました。

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文責:看護教育・管理学分野 大学院生 下條 祐也
撮影:代謝疾患学分野 大学院生 千葉 弓子

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