さくらサイエンスプラン2014実施報告

コスモポリタンの精神を育くむ研究の懸け橋に

さくらサイエンスプラン2014参加者

医学系研究科では、平成26年4月より独立行政法人科学技術振興機構(以下JST)が実施している「日本・アジア青少年サイエンス交流事 業」(さくらサイエンスプラン)の支援を得て、東アジアから29名の短期研修生を受け入れました。なお本事業は、東北多文化アカデミー(以下 TTA)と連携して行っています。 研修生は、中国、韓国、ベトナム、インドネシアなどの13の大学および研究所に所属する大学生、大学院生、若手研究者 など29名(女性20名、男性9名)です。研修は8月17日(日)から10日間の日程で、研究室実習体験を中心に、東北大学施設見学や被災地見学などを行いました。

さくらサイエンスプラン2014を終えて

生体システム生理学分野 教授 虫明 元
免疫学分野 教授 石井 直人

さくらサイエンスプランは、独立行政法人科学技術振興機構が今年4月に発表したプログラムです。このプログラムの目的は、アジアの若者を研修生として招聘することで、日本の大学・研究機関を身近に感じてもらい、アジア諸国の優秀な若手人材を日本に集めようということです。医学系研究科では、今年からこのプランに参画し、仙台への留学生支援で実績のある財団法人・東北多文化アカデミー(TTA)と連携して、短期研修生30名の招聘を計画しました。

募集する際に工夫した点は、研修生が学びたいことと、研修先の専門分野をマッチさせることです。そこで本研究科の研究活動を具体的に知ってもらうために、研修希望の研究室を指名させ、その理由を英語できちんと説明する事を希望者に求めました。そうすることで、研修希望者は自ら医学系研究科のホームページや大学資料から自分の希望に合致した研究室を調べることになり、研修前に東北大学がどんな大学か、どんな研究が行われているのかをあらかじめ知ることができます。

さくらサイエンスプランの様子

また、募集に際しては優秀な若者を広く集めるため、東北大学の連携機関を中心に中国、韓国、ベトナム、インドネシア等のアジア諸国の12を超える機関に声をかけ、参加希望者を募集しました。さらにTTAが、参加者募集のために中国にスタッフを派遣し、各機関に積極的に宣伝してくれたことも効果的だったといえます。結果として、定員をはるかに上回る49名もの応募があり、申請書評価と希望研究室とのマッチングを経て、29名の研修生が選ばれました。

初日の8月18日(月)には大内憲明研究科長の臨席のもとで盛大な開会式を催しました。大勢の関係者に迎えられたことで、研究科をあげての歓迎の姿勢が研修生達に十分に伝わったと思います。式では、大学院の紹介や大学院に在学中の留学生の体験談など研修に臨むにあたって役に立つ情報が多く伝えられ、研修生の皆さんも熱心に聞き入っていました。大会議室に並ぶ研修生29名の姿からは、これから一週間の研修への期待が感じられました。

本プログラムの目玉は、事前に希望した研究室での4日間の研修です。研修先は研修生自らが調べ、指名したこともあり、事前に主催者側では予測できませんでしたが、希望した20の研究室全てが快く研修生を受け入れ、本プログラムに協力してくれたので希望に沿う事ができました。この点は研究科全体の本プログラムに対する期待の表れであると感謝しています。

さくらサイエンスプランの様子

さらに、東北メディカル・メガバンク機構、東北大学クリニカル・スキルスラボなど世界最先端のバイオバンク施設や次世代シークエンサーなどの最新鋭研究機器を実見することで、本学が建学時から掲げる「研究第一」の精神が研修生に伝わったと思います。また、本学は古くから留学生を積極的に受け入れてきたことで知られています。かの魯迅が在学していたということも、研修生たちにより身近な大学という印象を持ってもらうのに有効だったようです。実際に魯迅が学んだ階段教室などのキャンパスツアーを通じて、東北大学の歴史を目の当たりにし、東北大学が持つ「門戸開放」の姿勢を肌で感じることが出来たのではないでしょうか。

さくらサイエンスプランの様子

各研究室での研修以外にも、週末には、東日本大震災の津波被災地である石巻を訪問し、石巻赤十字病院を見学しました。また、日本三景の一つ、松島の観光や仙台市科学館の見学も行ったほか、夜は医学部のボランティア学生と小グループで街に夕食に出たり、訪問先の研究室関係者と街に出たりした研修生もいたようで、日本文化や仙台市の生活環境に触れる良い機会になったと思います。

さくらサイエンスプランの様子

仙台を離れる8月25日(月)の午前中には研修生による報告会が開かれました。一人ひとりが研修先の研究室での活動を専門的な内容も含め、要領よく、自信を持ってプレゼンしていたのは大変印象的でした。発表を聴く側の私たちも、一週間のプログラムを体験することで成長した研修生たちの姿に触れることができ、さらに何人かの研修生が、ぜひ近い将来本研究科に入学したい、また日本に来たいという感想を伝えてくれた時は本当に嬉しかったです。また研修生同志の友情も育まれたようでした。

最後にTTAの押谷代表が、「このような機会を通じてコスモポリタンの精神を持てると良い」と挨拶されたのも研修生達に大きな共感を呼んでいました。研修生の一人が、この研修は修了式で終わるのでなく、これからが新たな関係の始まりであると言っていたのが印象深かったです。

さくらサイエンスプランの様子

本プログラムを終え、まずさくらサイエンスプラン2014に関わった先生方、国際交流支援室の方々に心より感謝いたします。また、研修生一人ひとりにきめ細かくご対応いただいたTTAスタッフと、そのサポートに尽力いただいた医学部生ボランティアの皆さんに深く御礼申し上げます。このような短期研修を今後も続けることで、本研究科のアジアでの認知度が上がり、近い将来に多くの留学生が訪れることを期待しています。

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