2016-02-03 Ico_press

膠芽腫に対する新たな治療法の開発 〜ポドプラニンに対するキメラ遺伝子改変T細胞受容体T細胞療法〜

名古屋大学大学院医学系研究科 脳神経外科学の夏目敦至准教授、及び東北大学大学院医学系研究科 地域イノベーション分野の加藤幸成教授を中心とした研究グループは、腫瘍抗原であるポドプラニンに対するCARを作製し、膠芽腫に対するその抗腫瘍効果を評価しました。本研究成果は、米国科学誌「Cancer Immunology Research 」(米国東部時間1月28日付の電子版)に掲載されました。

膠芽腫は5年生存率が10%以下という極めて予後の悪い成人の原発性脳腫瘍です。近年、種々の悪性腫瘍において免疫療法が注目されており、膠芽腫に対してもその効果が期待されています。免疫療法の一つにキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法があります。この療法により、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)に依存しない腫瘍特異的細胞障害性T細胞を大量に作製することが可能になります。

ポドプラニンは頭頚部、食道、肺、子宮頚部の扁平上皮癌、精巣セミノーマ、悪性中皮腫など多くの悪性腫瘍に発現しており、膠芽腫を含む星細胞系腫瘍においては、悪性度に応じて発現が上昇するため膠芽腫の標的として適しています。研究グループは、ポドプラニンに対するモノクローナル抗体NZ-1を基に、CAR遺伝子を人工合成し(NZ-1-CAR)、T細胞に遺伝子導入した(NZ-1-CAR T細胞)ところ、NZ-1-CAR T細胞はポドプラニン陽性膠芽腫細胞株への抗腫瘍効果を示しました。

本研究成果により、ポドプラニンを標的とするCAR T細胞療法は膠芽腫治療に有望であり、新たな治療法の開発が期待されます。

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