2017年4月4日

難聴に対する遺伝子治療の可能性 ‐成体の内有毛細胞に高率かつ低侵襲に遺伝子を導入する方法の確立‐

成人になってから発症する感音難聴には現在でも有効な治療法がないため、新しい治療法の研究開発が求められています。難聴に対する治療法の有力な候補の一つが、内耳の細胞に対するウイルスを用いた遺伝子導入法です。

 東北大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 鈴木 淳(すずき じゅん)非常勤講師、橋本 研(はしもと けん)大学院生、マサチューセッツ眼科耳鼻科病院(Massachusetts Eye & Ear Infirmary)M. Charles Liberman教授、Luk H. Vandenberghe助教らのグループは、新規に開発したウイルスによる遺伝子導入法と低侵襲な手術を組み合わせることで、聴力を悪化させずに成体マウスの内有毛細胞に高率に遺伝子を導入する方法を確立しました。

 今回確立した方法により、騒音性難聴や加齢性難聴といった成人発症の感音難聴に対する遺伝子治療の効果を、様々な疾患モデルマウスを利用して評価できる可能性があります。アデノ随伴ウイルスは既にヒトに対して臨床応用されていることから、本研究がこれまで効果的な治療法がなかった感音難聴に対する遺伝子治療の開発に寄与することが期待されます。

 この研究結果は、2017年4月3日午前10時(日本時間3日午後6時)に英国の科学誌Scientific Reports電子版に掲載されました。

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