2017年8月1日

ミカンのポリフェノールによる緑内障治療の可能性を示唆

 東北大学大学院医学系研究科 眼科学分野の中澤 徹(なかざわ とおる)教授、前川 重人(まえかわ しげと)医師、佐藤 孝太(さとう こうた)助教らのグループは、ポリフェノールの一種であるヘスペリジンがマウスの網膜神経節細胞を保護する効果を示すことを明らかにしました。
 緑内障は網膜神経節細胞および視神経が障害されることで発症する、日本人の中途失明原因第一位の疾患です。現在唯一科学的根拠のある治療法は、薬物、レーザーまたは手術による眼圧下降療法ですが、日本の緑内障患者の多くは眼圧が正常範囲である正常眼圧緑内障であり、眼圧下降以外の治療法の開発が重要であると考えられています。
 本研究は、薬剤によって作成したマウス網膜障害に対して、ヘスペリジンが酸化ストレスを軽減させることで網膜神経節細胞死を防ぐことを初めて明らかにした報告です。近年、緑内障の発症・進行と酸化ストレスの関与が注目されており、血液中の抗酸化力が低い緑内障患者は緑内障が重症化する傾向があると言われています。本研究によって、ヘスペリジンが持つ抗酸化作用注3が緑内障治療の一助となることが期待されます。
 本研究成果は、2017年7月31日午前10時(英国時間、日本時間7月31日午後6時)Scientific Reportsに掲載されました。

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