2018年1月11日

慢性透析患者の生存期間を改善する新規透析法 -「電解水」を用いた血液透析が患者の死亡数と心血管病の発症を抑制‐

 東北大学大学院医学系研究科附属創成応用医学研究センター・東北大学病院慢性腎臓病透析治療共同研究部門の中山 昌明特任教授のグループは、新規に開発した「電解水」を用いた透析システムが、慢性透析患者の生存期間を改善することを明らかにしました。
 現在、国内の透析患者数は30万人を超えて年々増えており、国の医療費を増大させています。一般に、透析患者の生存期間は極めて悪く(年間死亡率は約10%)、心血管合併症が主な死因となっています。この合併症の原因には透析中に生じる生体内の酸化ストレスと炎症が関わっていると考えられていますが、現状、これらの要因を安全に抑える手段はありませんでした。
 東北大学と株式会社日本トリムは、水の電気分解によって生成される「電解水」が生体内で酸化ストレスを抑えることに注目し、「電解水」の透析治療への応用を目指し2006年より共同研究を行ってきました。2011年から「電解水」透析システムの臨床試験を実施してきましたが、この度、臨床試験の最終結論として、「電解水」透析システムを用いることで、死亡数および心脳血管病の発症リスクが、従来の標準的透析治療と比べて41%抑制されたことを確認しました。本透析治療法により、透析患者の重篤な合併症が抑制され、透析患者の積極的な社会復帰、医療費の抑制に貢献することが期待されます。

 本研究成果は、2018年1月10日午前10時(英国時間、日本時間1月10日19時)英国科学誌Scientific Report(電子版)に掲載されました。

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