2019年1月4日

医学系研究科長より新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。本年も皆様にとって稔り多い有意義な年となりますことを祈念申し上げます。

 東北大学は昨年11月より「未来型医療創造卓越大学院プログラム」をたちあげ、医学系研究科など多くの部局が協働した文理共学のもとに、未来の医療の開発を担う人材の養成を開始いたしました。東北大学が目指す未来型医療は、ヒトの多様性に立脚した医療、そして予防です。ヒトの多様性は、ゲノムやエピゲノムの違い、生活習慣、そして環境の違いなどを含む膨大な広がりを有する情報です。この多面的で変動する情報(DATA)をAIやIOTなどの技術(Technology)を活用して精密に把握し、ライフコースを通して個人毎の変化や病態を理解するとともに、より適切な治療や予防につなげ、そして社会(Society)の様々な課題解決につなげていくことを目指しています。このようなDTS教育研究を進める上では、人や社会はどうあるべきかという根本的な価値観も新たに模索していく必要があります。総合研究大学としてのポテンシャルが問われていると言えます。

 さて、世界保健機関(WHO)が国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)を昨年公表しました。この30年ぶりの改定では、老齢(old age, MG2A)と加齢関連(ageing-related, XT9T)が新たに取り上げられました。加齢とともに様々な疾患の発症危険度が上昇することはよく知られていますが、その仕組みにはまだまだ不明な点が多く残っています。そもそも、加齢に伴う生体の変化(老化)はなぜ生じるのか、テロメアやサーチュインなどの関係性が提唱されていますが、その本質は十分には理解されていないと思われます。分子機構に介入することで老化を軽減できるとすれば、様々な疾患の発症を予防することも可能になるかもしれません。医学には、老化をはじめ多くの未開フロンティアが残っているのです。

 東北大学医学系研究科・医学部の学生と研究者の英知と創造力をより良い社会の実現へとつなげていくため、本年も様々な活動が成されることを希望しております。

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