2011年3月19日

【避難生活関連・健康情報】筋肉減少症を防ごう!避難生活の中で健康を害さないために

未曾有の震災から1週間がすぎました。多くの方々が避難所で不自由な生活を強いられています。電気が通ったところもありますが、飲み水/生活水、灯油、ガソリンの不足は深刻です。空腹で動きたくない方、エネルギー節約のためにできるだけ動かないという方もいらっしゃいますが、これは大変危険です。避難所などで一日中動かずに布団にくるまっている方は体を動かさないと新聞やテレビでも報道されているエコノミー症候群、廃用症候群、生活不活発病、筋肉減少症に陥る可能性があります。
廃用症候群、生活不活発病はいずれも体を動かさない時間が長くなるとおこる状態です。言葉は異なりますが、ほぼ同じ意味です。廃用症候群で一番目立つのは使っていない筋肉が徐々に萎縮することです。筋肉減少症(サルコペニア)といわれます。丁度宇宙飛行士が無重力のために筋肉が衰えてしまうのと同じです。筋肉が衰える結果、ますます動けなくなったり、動くのが億劫になり悪循環になります。買い出し、片付けなどで動いている方は全く問題ありませんが、一日中ふとんから出ないような方はとても危険です。また一日中座って足を腰より下げた状態で動かさないでいると血液の循環が滞り、血液が一部で固まってしまいます。固まりが心臓に戻って肺まで流れていくとそこでつまってしまうエコノミークラス症候群になります。床ずれも血液循環が悪くなることが一つの要因になります。
どのように体を動かせばよいのでしょうか?立ったり座ったりするだけでも違います。もし避難所であれば、食料の配給後や並んでいる間にでも皆さんでラジオ体操や「てっぱん体操」あるいはスポーツの前に行う簡単なストレッチングなど何でも結構ですから少なくとも一日一回以上行うとよいでしょう。ふとんにくるまっている方で動ける方がいらっしゃれば是非声をかけて一人でも多くの人が筋肉減少症に陥らないようにしてください。体操が苦手でもふとんから出て立ち上がり少し歩くだけでも違います。体を動かせば筋肉が熱を作りますので、わずかですが低体温対策にもなります。体育の先生、体育指導員や介護予防サポーターの方は是非リーダーになって体を動かすよう呼びかけてみて下さい。元気な方もリフレッシュになります。いろいろな体操にチャレンジするのもよいでしょう。ただし脱水にならないように水は飲んで下さい。トイレにいくのが面倒で水を飲まないのも危険です。トイレに行くのもよい運動になります。         
みんなでこの難局を乗り越えましょう!

東北大学大学院医工学研究科
健康維持増進医工学研究分野教授  
永富良一

pagetop