活動内容

東北大学脳科学グローバルCOE発足シンポジウム@仙台

2007年7月19日、仙台市青葉区の星陵キャンパス東北大学医学部5号館2階201を会場とし、この度立ち上げられたグローバルCOE「脳神経科学を社会へ還流する教育研究拠点」のキックオフシンポジウムが開催されました。

本グローバルCOEは、「生命科学を基盤に据えた最先端の脳神経科学研究を展開するとともに、脳神経科学リテラシーを備えた人材を社会へ輩出することを目指す」ことを目的としており、遺伝子から個体の行動までを扱うゲノム行動神経科学、認知機能を脳と身体との相互作用によって理解する身体性認知脳科学、人間を取り巻く環境や人間同士の関連性まで包括する社会脳科学の3グループにより構成されており、新規の脳神経科学研究を展開し、新時代の脳神経科学を切り拓く若手研究者の輩出を目指しています。

開会挨拶 飯島先生

シンポジウム自体は生命科学研究科長であり当拠点サブリーダーの飯島敏夫教授の開会挨拶にはじまり、続いて医学系研究科長である菅村和夫先生が来賓ご挨拶をなさいました。続いて大隅典子拠点リーダー(医学系研究科)が「脳科学グローバルCOE拠点体制について」と題して本グローバルCOEの全体像についての概略を説明され、その後ゲノム行動神経科学、身体性認知脳科学、社会脳科学の3グループそれぞれの拠点メンバー2名が各グループの研究内容や特徴について講演されました。


菅村医学系研究科長
冒頭 大隅先生

まず最初にゲノム行動神経科学グループの大隅典子教授、小椋利彦教授(加齢医学研究所)、続いて身体性認知脳科学グループからは虫明元教授(医学系研究科)、飯島敏夫教授(生命科学研究科)、最後に社会脳科学グループの森悦朗教授(医学系研究科)、福土審教授(医学系研究科)がそれぞれのグループの研究概要を話されました。各グループの研究内容は様々であり、入口に近い基礎的な研究や、出口に近い臨床的研究と非常に多岐に渡っており、それぞれの研究分野の話を聴くことができ、我々にとっても大変勉強になりました。また、いずれの先生方からも研究にたいする真摯な、そしてグルーバルCOEにおいて研究成果を今後さらに発展させていくとの積極的な態度がひしひしと伝わって参りました。

小椋先生
虫明先生

森先生
福土先生

特別講演 村上先生

そして特別講演として、大阪大学大学院生命機能研究科教授の村上富士夫先生が「脳における神経細胞移動のダイナミクス」と題して御講演下さいました。多数のムービーを使って、発生中の脳で細胞がどのように移動しているのかをお示しされ、非常にダイナミックかつ秩序ある動きを制御する複雑なメカニズムの存在に驚愕しながら、興味深く拝聴させていただきました。


閉会挨拶 大隅先生

大隅拠点リーダーの閉会挨拶をもって終了したシンポジウム後は、5号館1階屋外に設けられているウッドデッキスペースにおいて交流会が催されました。梅雨時期でありながら、幸いなことに雨も降らず天候にも恵まれました。


交流会(1)
交流会(2)

交流会において、各グループ内はもとよりグループ間や来賓や一般の方々が互いに親睦を深め、会場の至る所で活発な議論がされておりました。また私も含め若手にとってはなかなかお話しする機会のない先生方、さらにはこのような機会がなければお会いするのが難しい領域の大きく異なる分野の先生や学生の方々と知り合うことができる絶好の機会であり、これによって今後開催されるグローバルCOEのイベントにおいても円滑な準備等が進めてゆけると思いました。大隅拠点リーダーの掛声による一本締めで交流会、そして今回のキックオフシンポジウムは幕を閉じました。ご参加頂いた方は学内外含め136名にもおよび、無事に盛会の後終了することができました。

拠点メンバー集合写真
ポスター

(文責:大隅研PD 篠原広志)

今後、研究に携わる者ばかりではなく、多くの方々に広く脳科学研究を情報発信し、そして研究成果がよりよく社会へと環流、貢献されるように、我々若手研究者は知識や研究の幅を広げ、先端脳神経科学を推進しうる研究者として将来を担っていけるよう、研究に日々邁進してゆく所存で取り組んでいきたいと思います。


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