活動内容
東北大学脳科学グローバルCOE発足シンポジウムin東京
2007年10月13日、東京・六本木の泉ガーデンコンフェレンスセンター7階を会場とし、グローバルCOE「脳神経科学を社会へ還流する教育研究拠点」発足シンポジウムin東京が開催されました。
シンポジウムは、東北大学副学長で、医学研究科長でもある菅村先生の開会挨拶に始まり、文部科学省の井上卓己様の来賓ご挨拶ののち、大隅典子拠点リーダー(医学系研究科)が「東北大学脳科学GCOEについて」と題して本グローバルCOEの全体像についての概略を説明されました。
その後、丹治先生の基調講演「日本における脳科学の現状と将来展望」が行われました。この講演では現在までにおける脳科学研究の流れが学生の私にも非常にわかりやすい形で説明していただくと同時に、今後の脳科学研究への期待や役割、戦略等について丹治先生の思いが伝わってくる内容となっていました。中でも、GCOEを発展させ総合的研究拠点を目指すことが望まれると同時に、政策への働きかけも重要であるというようなことをおっしゃられたことが印象に残っています。
今回のシンポジウムでは、仙台で7月に行われたキックオフシンポジウムで講演をされなかった拠点メンバーの先生方を中心に講演が行われたほか、会場内に各拠点グループの紹介ポスターが貼られ、会場に足を運んでくださった方に対し各グループの若手研究者や学生が開始前や休憩時間中に説明を行いました。シンポジウム終了後の交流会で親睦を深める機会はもちろんあったのですが、この紹介ポスターの説明を介して各グループのメンバーと交流を深める姿も見られ、拠点グループの研究内容を説明するといった当初の目的だけではなく、異なる拠点グループのメンバーがお互いの研究内容を知る上で非常に有意義な時間・取り組みであったと思われます。
休憩を挟み、ゲノム行動神経科学グループからは福田先生と山元先生、身体性認知脳科学グループからは石黒先生と八尾先生、社会脳科学グループからは曽良先生と糸山先生がそれぞれのグループの研究内容について講演を行いました。
中でも印象に残ったのは工学研究科の石黒先生の講演です。石黒先生の「脳だけを調べていて生命知能を理解できるのか?」という問いかけと、それに対するロボット製作の具体的な事例紹介では、まさに目からうろこの事例が紹介され、石黒先生のグループが身体性認知脳科学グループの一員としてどういう立場から何を明らかにしていきたいのか、分野が異なる私にもとてもわかりやすい内容の講演でした。
シンポジウム終了後は、同じ建物にあるレストランで交流会が開かれました。私たち学生は、同じキャンパスにあっても異なる研究室の先生方とお話をする機会というのは決して多くはありませんが、こういった懇親会で異なる分野の方々とお話できるチャンスがあるのはとても有難いことです。自分の周りに目を移しても若手から著名な先生方まで活発な議論がなされているようで、シンポジウムと違った意味でとても有意義な時間となりました。