活動内容

第2回脳神経科学サマーリトリートin仙台(09.07.25-26)

3題の招待講演、5カ国の若手研究者による9つのオーラルプレゼンテーション、30のポスター発表。2度目のサマーリトリートは、”How to resolve unsolved problems”をテーマに、仙台・東北大学さくらホールを会場に行われました。

受付・ポスター展示
サマーリトリート開会

 
 昨年に続いて、理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI)から共催を頂きました。理研BSIは、世界各国から、数十人を集めるサマープログラムを毎年実施し続けて、既に10年の歴史を誇ります。参加のための関門が数倍と言われる、このプログラムの参加者に呼び掛け、幾日か来日日程を延ばして、東北大学の若手研究者と交流する機会を持ってもらう、そんな狙いも込めています。反対に、東北大学脳科学グローバルCOEとしては、若手研究者が、「世界」の同世代の研究者たちを間近に感じ、交流するまたとない機会として、お互いに切磋琢磨できればと、企画しています。

今年の基調講演者は、3名。
黒田公美 (理研BSI ユニットリーダー)
“Mechanism of Parental Behavior: Progress and Unresolved Problems”
林康紀 (理研BSI チームリーダー)
“Molecular Mechanism of Hippocampal Synaptic Plasticity”
仲村春和 (東北大学大学院生命科学研究科教授)
“Isthmus Organizer for the Development of Tectum and Cerebllum”
全体テーマを反映して、結果だけでなく、研究プロセスまでも含めたお話を頂けたと思います。

若手研究者・オーラル発表

 若手研究者のオーラル発表に、今回初めて導入したのは、Nominated Discussant(指定討論者)という制度。各発表に対して、2人ずつ、必ず質問をする人をあらかじめ割り当てて、議論を促しました。オーガナイザーの意向は、なるべく、異なる分野から討論者を指名すること。実施数週間前に指名を受けた際には、それぞれ、戸惑いもあったようですが、いざ実施してみると、基本的な質問に答える訓練などになる、といった声も多く、概ね好評だったと言えるようです。


若手研究者・ポスター発表

 また、ポスター発表については、拠点メンバーの教員や基調講演者など、シニアな参加者が必ず一人は議論を行うようにあらかじめ指名しておきました。そのかいもあってか、特にポスターの前であぶれるような方も少なく、活発な議論が展開できたと思います。ただ、日本人同士が議論していると、いつの間にか日本語で議論が始まり、そこへは外国からの参加者が入りづらい、といった指摘も、一部の外国からの参加者からも出ました。今後に向けての反省点です。


また、互いの投票により、オーラル、ポスター、それぞれの表彰者を以下に記します。

オーラル発表・表彰者










■Toshi Nakajima (Tohoku Univ)
“ACTIVITY OF PUTATIVE PYRAMIDAL NEURONS AND INTERNEURONS IN MEDIAL MOTOR AREAS DURING PERFOMANCE OF A BIMANUAL SEQUENTIAL MOTOR TASK”
■Thomas C. Sprague (Rice University, USA) “THE PERCEIVED DURATION OF A STIMULUS DEPENDS ON TEMPORAL CONTEXT”
■Akira Sakurai (Tohoku Univ)
“FEMALE SEXUAL RECEPTIVITY REGULATED BY A SUBSET OF BRAIN NEURONS THAT REQUIRE SPINSTER GENE FUNCTION”


ポスター発表・表彰者










■Nobuko Hara (INSERM, France)
“NEURAL CORRELATES OF CONSTITUENT STRUCTURE IN LANGUAGE AND MUSIC”
■Munekazu Yamada (Tohoku Univ)
“CODING OF FUNCTIONAL SIGNIFICANCE AND VISUAL FETURE OF VISUAL STIMULI IN THE PREFRONTAL CORTEX”
■Yasunori Mori (Tohoku Univ)
“JNK PHOSPHORYLATES SYNAOPTOTAGMIN-4 AND ENHANCES Ca2+-EVOKED RELEASE”
■Jun Yokose (Tohoku Univ.)
“LINEAGE ANALYSIS OF POSTNATAL NEUROGENESIS IN THE SLICE CULTURE OF HIPPOCAMPUS”
■Guido Hesselman (Weizmann Institute of Science, Israel)
“CENTRAL CAPACITY LIMITS DURING DUAL-TASK PERFORMANCE: AN EEG-FMRI STUDY OF THE PSYCHOLOGICAL REFRACTORY PERIOD”


サマーリトリート参加者集合写真

 1泊2日の短い機会ではありますが、ここで起こった議論が何かにつながり、ここで生じた交流がやがて何かの芽になるような、そんな発展があることを願っています。





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