活動内容

第7回脳カフェ 杜の都で脳を語る「脳・つながる・科学−いま、社会の中で−」

 第7回目になる「脳カフェ」、今年度で終了する脳科学グローバルCOEとしては最後の開催になりました。杜の都で脳を語る 「脳・つながる・科学 ―いま、社会の中で―」、と、題した開催、梅雨の合間の夏の陽ざしの中、240名あまりもの方が、御来場下さいました。


 今回のゲストスピーカーは、理化学研究所脳科学総合研究センターの藤井直敬氏。新しい概念として注目を集め始めている「社会脳」の気鋭の研究者です。脳科学グローバルCOEからは、拠点リーダーの大隅典子氏がスピーカーを務めました。

 藤井氏の講演は、「つながる脳」、毎日出版文化賞を受賞された近著と同じタイトルです。実験に用いられるサルについて、サルほど高等な動物でしか研究できない題材とは何かを考え抜かれた末に、社会性、他の個体同士とつながる脳の働きについて研究のターゲットを定められたことを皮切りに、興味深い動画・画像を中心に、平易な語り口の講演は続きます。人間の間に生じるルールの発生の仕組みについては、多くの参加者の方からも質問が寄せられ、アンケートでも言及されました。


 大隅氏の講演は、「脳のデザインと構築プロセス」。層状の構造をもつ脳が、見事に順をおって形成され、そのデザインが、発揮する機能とも密接に関係づけられていることを、豊富なデータをもとに話されました。また、グリア細胞という脳のなかのニューロン以外の細胞について、未解明のことが多いものの重要な働きをしていると考えられていることを時間を割いて語られました。


 会場からは多数の質問が寄せられ、後半は、社会脳が生成するルールと大震災後の社会にまで及ぶディスカッションが展開されました。









 今回、脳科学グローバルCOEで異分野融合特別研究奨励費という研究費を受給されている若手研究者から、ポスター展示をしてもらいました。10数人の展示の前では、来場者と、密なやり取りが終了直前まで行われました。

栗原氏によるイラストレーション展示の様子
栗原樹奈氏(写真中央)

 



 
 また、演者の藤井氏と共同で仕事をされているメディカルイラストレーターの栗原樹奈氏の作品も会場で展示されると共に、栗原氏御自身による解説も行われました。




 脳カフェは、多くの御参加を得て大変大きなイベントに成長しました。成長したこの場を、今後、どのようなことに結びつけていけるか、仙台の人々と共に考えていきたいと思います。



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