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講義・セミナー名
東北大学脳科学GCOEセミナーのお知らせ
開催日時
2010-02-17 15:00
開催場所
星陵キャンパス・5号館2階 201号室
概要

日時 2010年 2月17日(水)15:00-16:30

会場 星陵キャンパス・5号館2階 201号室

演者 三浦佳二 博士
    ハーバード大学 さきがけ研究員

演題 嗅覚皮質における迅速な情報処理を支えるゼロノイズ相関

 一般に、感覚刺激に対する単一神経細胞の応答には必ずしも完全な再現性がなく、試行毎の「ノイズ」が存在する。そこで、脳は神経細胞のアンサンブルを用いることで、シグナル-ノイズ比を向上させていると考えられる。しかしながら、単純な理論計算から、もしも神経細胞のノイズ間に正の相関が存在する場合には、細胞数を増やしていっても、S/N比が飽和することが予言される(Zohary et al,Nature 1994)。本研究においては、マルチ電極を用いて、ラット嗅覚皮質における神経細胞の発火率のノイズ相関を計算した。視覚野(MT)におけるノイズ相関は0.1-0.2と知られているのに対して、嗅覚皮質(anterior piriform cortex)においては、ノイズ相関はほぼゼロ(0.005)であった。さらに、ラットが能動的にサンプリング(スニフ)をする期間に、ノイズ相関の値は最も0に近づくことがわかった。これらのことから、匂いの情報処理においては、独立な神経表現が重要な役割を持つと考えられる。

問合せ先:生体システム生理研究分野(坂本一寛)内線8073

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