生物化学分野
教員構成
- 教授 五十嵐 和彦
- 准教授 武藤 哲彦
- 助教 落合 恭子
五十嵐 和彦
IGARASHI, Kazuhiko
武藤 哲彦
MUTO, Akihiko
分野の紹介
ヒトを含む全ての生物は、ゲノムにコードされる遺伝情報を臨機応変に発現することにより、細胞分化やストレス応答といった多彩な機能を産み出します。ヒトは約25,000の遺伝子を有し、その発現空間は225,000以上という膨大な可能性を有するとともに、その中には様々な疾患を引き起こす発現空間も存在すると考えられます。私たちの目標は、癌や変性疾患といった病態を発現空間異常として理解することです。
そのために、細胞分化、酸化ストレス応答、液性免疫応答に関わる転写因子(Bach1, Bach2, p53など)やクロマチン修飾酵素に焦点をあて、これらを中心とするタンパク質複合体とその下流に位置する標的遺伝子セットからなるDECODEネットワークの解明に取り組んでいます。さらに、同定されたネットワークが疾患発症へつながる可能性を検証しています。例えば、癌抑制機構の一つである「細胞老化」の発現空間に関しても取り組んでいます。
論文・書籍・受賞などの実績
①The transcriptional programme of antibody class switching involves the repressor Bach2. Nature 429, 566-571 2004 転写因子Bach2が液性免疫応答(クラススイッチ、体細胞突然変異)に必須であることを示した。
②Plasmacytic transcription factor Blimp-1 is repressed by Bach2 in B cells. J. Biol. Chem. 281, 38226-38234 2006 液性免疫におけるBach2の転写ネットワークの一端を解明した。
③Heme induces ubiquitination and degradation of the transcription factor Bach1. Mol. Cell. Biol. 27, 6962-6971 2007 補欠分子ヘムが転写因子Bach1のユビキチン化と分解を制御することを発見し、代謝と遺伝子発現の新しい共役機構を示した。
④DNA damage-dependent acetylation and ubiquitination of H2AX enhances chromatin dynamics. Mol. Cell. Biol. 27, 7028-7040 2007 DNA損傷応答におけるヒストン修飾(H2AXのアセチル化、ユビキチン化)の意義を解明した。
⑤日本学術振興会賞 日本学術振興会 2006 転写因子Bach1およびBach2に関する一連の研究が創造性に富んだ卓越したものと認められた。
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