ピックアップ

  • Report

学会報告・リトリート

2017.1.14 第10回リトリート大学院生研究発表会開催決定

第10回リトリートが、2017年1月14日(土)に開催されます。本研究発表会は、東北大学大学院医学系研究科の大学院学生が実行委員会を組織し、企画・運営の一切を行うものです。毎年たくさんのエントリーがありますが、その中でも、学部学生のエントリーや医学部以外のエントリーもあります。そこで今回は、リトリート開催を目前に控え、エントリーがあった学部学生からメッセージをいただきました。

医学科1年 山中 美慧さん(分子病理学分野)

第10回リトリート大学院研究発表会に参加させて頂くことになりました、東北大学医学部医学科一年の山中美慧と申します。

私は現在、東北大学大学院医学系研究科の分子病理学分野の研究室で、HPPS ( Hereditary Pheochromocytoma / Paraganglioma Syndrome )という家族性のがんについての研究を行っています。HPPSの頻度はあまり高くありませんが、悪性化例も散見され、原因遺伝子の特定と早期発見が重要です。原因遺伝子の分子病理学的な解明は、新たな診断や治療法の開発の手がかりとなると考えられています。

私は高校生の時に三年間、東北大学科学者の卵養成講座のプログラムの一環として、現在通わせて頂いている研究室で堀井明教授のご指導のもと、がんの研究を行いました。東北大学医学部に入学し、同研究室で継続して研究を行わせて頂いています。この度大学院生の方々と共に研究発表を行う貴重な機会を頂き大変感謝しております。まだまだ勉強中ではありますが多くのことを学び、今後の研究活動に活かしていきたいと思います。

医学科4年 池田 正俊さん(血液免疫病学分野)

学部4年の池田正俊です。人体の機能の不可思議さに魅せられ医学部に進学しました。その中でも遺伝子転写に興味をもち、現在は赤血球の成熟とオートファジーに関わる分子生物学的な洞察を深めています。

赤血球はその成熟の最終段階でミトコンドリアを含む様々な細胞内小器官の分解を積極的に行い、効率的な酸素運搬に適した成熟赤血球となります。この分解の過程ではオートファジーが重要な役割を果たしていると考えられています。これまでの研究から鉄やヘムの減少でオートファジーが抑制されている可能性が示唆されており、また赤血球のオートファジーには転写因子Gata1が重要な役割を果たしているとの報告があります。そこで私は鉄/ヘムとGata1活性やオートファジーとの関連があると考え、研究を進めています。

初めてのリトリート参加になりますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします!

薬学部4年 小林 雅行さん(病理診断学分野)

はじめまして、薬学部創薬科学科4年の小林です。私は医学系研究科病理診断学分野に卒業研究でお世話になっています。

私の研究テーマは「肺癌と二次化学療法」についてです。肺癌は本邦における死因の第1位となっており、約8割は非小細胞肺癌と分類されます。EGFRというタンパクをコードする遺伝子に変異が入っている場合、分子標的薬EGFRチロシンキナーゼ阻害剤で治療できるのですが、一年ほどで癌が耐性を獲得してしまうことが課題です。そこで、二次化学療法の感受性が高め、治療成績を向上することを目的に、化学療法感受性因子について研究しています。

日々の研究では、臨床検体と培養細胞を用いた臨床と基礎を結ぶトランスリレーショナルリサーチを魅力に感じております。医師や臨床検査技師など様々な分野の方に指導を受け、毎日が新発見です。

学会形式で発表するのは初めてで緊張しますが、全力で頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

医学科2年 太田 悠自さん(バイオメディカル情報解析分野)

学部2年の太田悠自と申します。

今年度の10月から東北メディカル・メガバンク機構バイオメディカル情報解析分野で医療情報の解析に従事しています。

普段は、機械学習技術を学びつつ、プログラミング言語であるPythonを主に用いて医療情報を解析する日々を送っています。

私が発表するテーマは深層学習による皮膚病理画像の診断です。深層学習は人工知能研究で用いられてきたニューラルネットワーク(NN)を深層化したものです。トロント大学のHintonらは2006年に困難とされた深層NNの学習法を提案し、2012年には深層畳み込みNNによりこれまでとは段違いの高精度で画像認識が可能であることを示しました。以降、深層学習は自動翻訳、自動運転、囲碁における戦略探索など多岐に渡る分野において、大学だけでなくGoogle、Facebook、Microsoft、Amazonなども中心となり研究が進められています。私もこの深層学習を医療分野に応用し、診断アルゴリズムの開発を通して医療への貢献を目指しています。

会場にて自作アプリケーションのデモを行いますので興味のある方はお声がけください。

※所属や職名などは、記事発表当時のものとなっております。

ページトップへ戻る