東北大学大学院医学系研究科・医学部

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少人数で手厚い指導
医局スタッフに支えられながら
心温かい遺伝カウンセラーを
目指しています

インタビュー
公衆衛生学専攻
遺伝医療学分野 在校生
小野 智愛
Chie Ono
学年:修士2年
出身地:岡山県
2020.05.29

小野 智愛

遺伝性疾患と共に生きる患者さんの支えに

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

看護学実習で、家族歴のあるがん患者さんを受け持たせていただいたことをきっかけに、遺伝性疾患のサーベイランスについて興味を持ちました。あらかじめ自身の遺伝情報を知ることは、早期発見・治療のために今後の予定を立てることができます。しかしその一方で、遺伝情報は生涯不変で共有性という特殊性があり、発症するリスクを抱えながら生きることの苦痛、子どもに遺伝子変異が伝わることの罪悪感など、患者さんご本人やそのご家族に様々な影響を及ぼすことに気付きました。遺伝学的検査で遺伝情報を知るタイミングや必要性は一人一人異なりますが、遺伝に関して孤独や辛さを抱え込むことなく、自分らしく疾患と共に生きることができるように支えていきたいと思い、認定遺伝カウンセラーを志望しました。
遺伝カウンセラー養成専門課程が設置されている大学院の説明会に参加するなかで、東北大学は少人数で授業が展開されること、医療統計や疫学など社会医学・公衆衛生学に関する授業が豊富であることに強い魅力を感じ、入学したいと思いました。

一つひとつの症例に真摯に向き合う

●進学してみて、どうでしたか?

想像以上に、遺伝カウンセリングについて学ぶことのできる環境でした。医師や認定遺伝カウンセラーの方々との距離が近く、いつも親身になって、細かく丁寧に教えてくださいます。また、同期がいないため、遺伝医学に関する授業は全てマンツーマンで展開され、わからないところもわかるまで質問できます。実習では、外来準備から外来後のカンファレンスまで、院生としての意見や考えを求められることも多く、一つひとつの症例に対して真摯に向き合うことができます。
さらに、授業を通して他分野の学生との交流も盛んなため、課題を一緒にこなすだけでなく、時々ランチやお出かけを楽しむこともあり、とても楽しく充実した毎日です。

希少疾患をとりまく課題を明らかにし、より良い支援を

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えてください

ヌーナン(Noonan)症候群類縁疾患患児とその養育者の心理社会的側面についての調査・研究を行っています。ヌーナン(Noonan)症候群類縁疾患は、眼間開離や低位耳介、カールした毛髪などの特徴的な顔貌のほか、心疾患や摂食障害、知的障害など、様々な症状を呈する先天性疾患の一つです。本疾患をもつお子さんへは、症状の悪化を防ぐことや成長発達に伴って生じる新たな合併症の早期発見など、複数の診療科による長期間にわたっての医学的管理が必要です。また、希少疾患で、疾患に関する情報量が少ないことから、症状や治療に伴う苦痛だけでなく、将来の見通しを立てにくいなど、患者家族の方が様々な不安を抱えていることが予想されます。そこで患者家族らの心理社会的側面における課題について明らかにすることで、今後のより良い支援に役立てていきたいと考えています。

臨床現場に近くアットホームな環境

●研究室の雰囲気はどうですか?

研究室自体は東北大学病院外来棟のすぐ隣にあり、東北大学病院遺伝科・遺伝子診療部所属の方も同じ医局におられます。教員や遺伝カウンセリングコースの学生のほか、2名の認定遺伝カウンセラー、博士課程に在学し最先端のゲノム解析研究を行っている医師や、技能補佐員の方々もいらっしゃいます。
遺伝カウンセリングの外来準備や電話対応、プレカンファレンスなど、実習期間に限らず、実際の臨床現場により近い環境で2年間過ごすことができます。どの方もいつも優しく気にかけてくださり、とてもアットホームで温かい雰囲気です。

●東北大学の良いところは?

いつも親身になって丁寧に教えてくださる先生や認定遺伝カウンセラーがいらっしゃること、卒業されても先輩方との交流が続きいつでも相談できること、バックグラウンドが多様であること、分野を超えて同期との仲が良いこと、学会やセミナーに参加できる機会が多いことなどです。また、東北大学病院はがんゲノム医療中核拠点病院であるため、エキスパートパネルへ参加できる機会もあります。

心の支えになれる遺伝カウンセラーを目指して

●今後の目標や抱負を教えてください

遺伝性疾患をもつ、あるいは遺伝という問題に悩んでいる患者さんやそのご家族の方々にとって、少しでも心の支えになれるような心温かい遺伝カウンセラーになりたいです。正確で最新の遺伝医学的情報について、臨床遺伝専門医の方々とわかりやすくお伝えするだけでなく、受け取った情報や疾患と共に歩む患者さんやそのご家族一人ひとりの思いに寄り添い、他職種とともに日常生活や心のサポートを行っていきたいです。そのために、引き続き遺伝カウンセリングや遺伝医学について勉強し、努力していきたいと思います。

mylife

休日は、勉強や課題の息抜きとして、宮城県内の有名な場所、グルメを巡り、気分転換をしています。去年の夏は仙台七夕花火祭へ行きました。仙台七夕花火祭は、仙台七夕まつりに付随して開催される、有名な花火大会の一つで、東北大学川内キャンパス内で打ち上げられます。東北大学の関係者であれば、敷地内で大輪の花火を特別に鑑賞できます。

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PROFILE
公衆衛生学専攻
遺伝医療学分野 在校生
小野 智愛
Chie Ono

大学時代は看護学を専攻。保健師・看護師免許取得後、大学院に入学。