東北大学大学院医学系研究科・医学部

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博士課程で研究内容をさらに深め、
医療や看護に貢献できる研究者に
なることが目標です

インタビュー
保健学専攻
がん看護学分野 在校生
尾辻 美沙
Misa Otsuji
学年:博士前期課程2年
出身地:福岡県
2020.06.04

尾辻 美沙

多くを学び、貢献できる研究者に
看護師として子育て世代の患者さんにできること

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

私は東北大学病院のNICU・GCU病棟で3年間看護師として働いていました。臨床では様々な重篤な疾患を抱える赤ちゃんのケアにあたるとともに、その母親自身もがんや免疫疾患といった疾患を抱えているケースに多く出会いました。その中でもがんに罹患した母親との関わりから、子育てを行う世代のがん患者さんは今後の人生やご家族のこと、仕事のことなど様々な不安や葛藤を抱えていることがわかりました。そのような患者さんに対し看護師として何ができるだろう、どのように寄り添えるだろう、と模索し悩んだ経験から、子育て世代のがん患者さんに少しでも寄り添える支援をじっくり検討していきたい、看護についてより専門的に学びたいと思い大学院進学を志すようになりました。

様々な専攻の仲間たちと共に

●進学してみて、どうでしたか?

大学院に進学してよかった!と心から思います。理由はいくつかあるのですが、最も大きなことは、少人数で教授の授業をディスカッション形式で受けることができた点です。様々な専門分野においてプロフェッショナルな先生方から個別的に授業を受けることは、その分自分の意見を求められる場面も多く緊張感もありますが、物の見方・考え方や伝え方の幅がとても広がったように思います。これは大学院ならではの学びだと実感しています。看護分野においては理論や研究方法論を1からより専門的に学ぶことができるので、自分の臨床での経験とも照らし合わせながら楽しく学ばせていただいています。また、東北大学はあらゆる専攻の学生とともに学ぶことができる点も大きな魅力のひとつだと思います。進学後、私は英語論文を読むのに苦戦し、川内キャンパスで開講している英語の授業を履修しました。様々な専攻・学年の学生と冷や汗をかきながらネイティブの先生の授業を受けたことで刺激を貰い、さらに英語を学びたいと留学にも挑戦させていただくことができました。

子育て世代のがん患者さんが持つ苦悩をより明らかに

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えてください

修士課程では、「子供をもつがん患者の心理社会的苦痛および親役割に関する心配事を測定するための尺度開発に向けたインタビュー調査」というテーマのもと研究を進めています。近年は乳がんや子宮頸がんを中心に若い世代のがん患者が増加しており、子育て世代のがん患者は全がん患者の約10%を占めるとされています。子どもをもつがん患者は、自らの闘病生活に加えて、子育ての心配事や家族の日常生活の変化への対応といったことから多様な不安を抱えており、それらの不安はがんを抱える親とその子どもの生活に様々な悪影響を及ぼすことがわかっています。医療現場においては、彼らの抱える不安や心配事の内容を把握し、適切に介入することが急速に求められていますが、その内容は患者一人一人によって多様で複雑であり、まだ具体的な支援方法は明らかとなっていません。そのため、私の研究の目的は、子どもを持つがん患者の心理社会的苦痛および親役割に関する心配事の内容をインタビュー調査により明らかにし、そしてその内容を尺度開発の原案として検討したいと考えています。

刺激的でアットホームな研究室

●研究室の雰囲気はどうですか?

私の研究室は、がん看護専門看護師コースと研究コースからなり、様々なバックグラウンドの先輩方と共に学ばせていただくことができ、とても刺激的です。臨床経験の豊富な先輩方から実際の現場の様子を教えていただくことはもちろん、それを研究室のメンバーで科学的に分析し解決策を検討したり、勉強会を開催し専門家の意見を聞いたりすることができるため、自分一人では得ることのできない知識や考え方をたくさん吸収することができます。がん看護専門看護師や研究分野の専門家が身近にいるこの環境は、とても恵まれていると感じます。それぞれの研究内容についても多岐にわたり、毎週のゼミを通して指導教員や先輩方から幅広い視点でアドバイスをいただくことができます。困ったことがあるといつでも相談できるアットホームな雰囲気なので、安心して研究生活を送ることができます。また、仕事と学業を両立している先輩や、子育てをしながら進学している先輩もいらっしゃるので、時間管理の仕方や学業との両立のコツなど日々の過ごし方から学ばせていただくことも多いです。

門戸開放と留学プログラム

●東北大学の良いところは?

東北大学の理念の一つに「門戸開放」とありますが大学院に進学しより一層その魅力を感じます。研究室内にとどまらず、様々なフィールドにおいて第一線で活躍されている先生、先輩方と共に学べる環境はとても刺激的で恵まれていると思います。他分野や他大学との交流も盛んであり、自分の研究分野にとどまらず学びを深めることができます。また、東北大学には様々な留学プログラムがあり、私は昨年度、COLABSワシントン大学留学という大学院生向けのプログラムに参加させていただきました。他学部、多国籍の留学メンバーと共に過ごしたシアトルでの2週間は大変貴重な経験となりました。このように学ぶための選択肢が多く、海外との研究交流も盛んな東北大学は、グローバルな視点を育める素晴らしい環境だと思います。

医療や看護に貢献できる研究者に

●今後の目標や抱負を教えてください

進学してからの1年間は、その道の第一線で活躍されている先生方、優しく目標となる先輩、同じ目標に向かって切磋琢磨する同学年の学生、いろいろな知識を共有してくれる他分野の学生からサポートを受けながら様々な学びと経験を得ることができ、研究の楽しさを教えていただきました。今後は博士課程に進学し、修士の研究内容をさらに深めたいと考えています。今後も一生懸命学び、社会に役立つ研究を行い、少しでも医療や看護に貢献できる研究者になることが目標です。

●進学を考えている方へ

大学院、がん看護に少しでも興味のある方は、ぜひ一度研究室に来てみてください。一緒に学べる日を楽しみにしています。

mylife

星陵キャンパス周辺には、スープカレー屋さん、中華料理屋さん、隠れ家カフェなど美味しいお店がたくさんあるのでお昼休みに散策するのも楽しいです。その中でもスープカレー屋さんのガネーシャはよく利用させていただいています。明るく気さくな店員さんがいつもおすすめのメニューを教えてくれます。また、テイクアウトもしているので、ゼミのあとに研究室のメンバーでカレー会をしたりもします。辛さ、スープの種類、具材などバリエーションも豊富で本格的なカレーが楽しめます。皆さんも東北大学に進学した際はぜひ利用してみてください。明るい店員さんと美味しいカレーに元気をもらえること、間違いなしです!

PROFILE
保健学専攻
がん看護学分野 在校生
尾辻 美沙
Misa Otsuji

2016年3月東北大学医学部保健学科卒業。
2016年4月~2019年3月東北大学病院勤務。
2019年4月東北大学大学院医学系研究科保健学専攻進学。