大学院説明会
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東北大学に医学部生として在籍していた頃から、基礎医学修練や高次修練を通じて基礎研究に触れる機会が多く、卒業する頃には自然とキャリアプランに大学院進学がありました。また初期臨床研修を通じて、医学にはまだまだ分かっていないことがあり、それにより困っている患者さんが大勢いることを実感しました。臨床的問題を突き詰めると基礎研究が不可欠であることに気付き、なるべく早く基礎的な素養を身に付けたいと思い、初期研修終了後すぐに大学院入学を決意しました。
入学前は、本当に自分が大学院でやっていけるのかどうか、また金銭的な面などさまざまな心配事がありました。新内科専門医制度の1期生でもあり、研究と臨床のキャリアを両立できるかという不安が最も大きかったです。しかし実際に入学してみると、同じように悩んでいる同期や頼れる先輩方がいて、研究のみならず生活面についても気軽に相談でき、とてもありがたかったです。キャリアについては杉浦久敏教授、玉田勉准教授をはじめとした諸先生が一丸となってサポートしてくださる体制が整っており、安心して研究に取り組むことができました。大学院生活は忙しくはありますが、入学前に感じていた不安はなく、充実した研究生活を送れています。
慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)における肺胞マクロファージについての研究を行っています。COPDは主にたばこ煙を長期吸入することで生じ、日本における推定罹患(りかん)者数は500万人に上る非常に重要な疾患です。特に、COPDには感染症などが契機となり引き起こされる「増悪」と呼ばれる病態があり、増悪を起こすとQOLや呼吸機能が低下し、生命予後も悪化します。実臨床でこのCOPD増悪により人工呼吸器や在宅酸素が必要になる患者さんを何人も診てきて、何とか予防できないかと思っていました。そして現在、増悪に関連する因子として、肺において病原微生物の処理に重要な役割を果たしている肺胞マクロファージに着目した研究を行っています。大学院への入学を決めた時の初心を忘れずに今後も研究を続けていきます。
入学前はうまくなじめるかどうか心配していましたが、実際に入学してみると大学院生の同期や先輩は気さくで話しやすい方が多く、学年の垣根を越えて仲良くさせていただいています。先生方も院生一人一人を大変熱心に指導してくださいますので、和気あいあいとしながらも切磋琢磨(せっさたくま)し、レベルアップできる環境が整っていると思います。
研究設備が豊富で、授業や各種セミナーが充実していることはもちろんですが、学部・学科の垣根を越えた共同研究が盛んに行われているところが魅力的です。またリトリート研究発表会など大学院生の発表の場も豊富に用意されており、アウトプットの練習もすることができます。オンラインへの移行により、このコロナ禍でもそれがほとんど損なわれておらず、緊急時への対応力があるのも素晴らしいと感じています。
今年度は大学院生最後の年ですので、国内学会・国際学会への参加や国際雑誌への論文投稿、学位取得などにチャレンジしたいです。
星陵キャンパスから少し歩いたところに焼き肉店があります。近くて安くて混雑していないので、研究で煮詰まってきたときや相談事があるときは、同期や後輩とよく行っていました。コロナ禍のためしばらくごぶさたですが、落ち着いたらまたお邪魔したいと思っています。
山形県山形市出身。2016年3月に東北大学医学部医学科卒業。初期臨床研修後の2018年4月に東北大学大学院医学系研究科呼吸器内科学分野に入学し、現在博士課程4年目。