東北大学大学院医学系研究科・医学部

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助産師として参加した臨床研究で
研究の楽しみ見いだし大学院進学
他分野の学びも取り入れ目標に向けこつこつと

インタビュー
保健学専攻
ウィメンズヘルス・周産期看護学分野 在校生
Women's Health Nursing & Midwifery
吉田 明莉
Akari Yoshida
学年:博士課程後期2年
出身地:福島県
2021.05.10

吉田 明莉

臨床に身を置きながら研究で疑問解決し、見いだした楽しみ

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

助産師として勤務していた際に臨床研究に参加し、純粋に研究が楽しいと思ったことが最大の理由です。研究結果を学会や病棟で発表することで医療者と共有し、患者さんへのケアに生かすことができたことは、かけがいのない経験となりました。私はもともと研究に興味があり、学部からストレートで修士課程に進学しました。修士課程での学びを生かして、実際に臨床に身を置きながら研究を行い臨床疑問を解決できたことで、より大きな楽しみを研究に見いだしました。そこで、もう一度研究について学びたいと強く思い、大学院への進学を決意しました。

●進学してみて、どうでしたか?

授業や研究に専念でき、とてもぜいたくで貴重な時間を過ごすことができていると感じています。大学院では、課題や疑問を調べて発表し、ディスカッションをする機会が増えます。臨床で勤務していた時には難しかった、課題や疑問についてじっくり調べ向き合う時間と環境があることに、大きな喜びを感じています。各分野の専門家である先生方や大学院生と共にディスカッションを通して学びを深めることができる時間は、刺激的で楽しいです。学会や勉強会に参加して、自分の意見や研究を伝える経験も積むことができました。先生方や他の院生からのサポートを受けながら、研究に専念し充実した大学院生活を送っています。

産後に苦痛を感じている方へのより良い看護ケアを模索

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えて下さい

現在は、産後の尿閉に関する研究に取り組んでいます。臨床で助産師として働いていた際に、産後に尿を自分で出すことができない、いわゆる「尿閉」となる患者さんを多く目の当たりにしました。この尿閉を発症した患者さんが、産後の休息が必要な時期に身体的・精神的苦痛を感じていることに直面し、より良い看護ケアはないかと模索し悩んだことから、テーマとすることを決めました。産後尿閉の回復過程や影響要因を明らかにすることで、産後排尿ケアの標準化に向けた基礎資料としたいと考えています。

多様な考え方に触れられ他分野との交流や共同研究の機会も

●研究室の雰囲気はどうですか?

活発な議論の絶えない研究室です。研究室に所属する大学院生は、同じ看護職ではありますが、年代も幅広くそれぞれ異なる経験を持っていることから、さまざまな考え方に触れることができます。研究内容も多岐にわたるため、毎週のゼミでは専門的知識を持つ先生方を含め大学院生とのディスカッションによって、研究をより良い方向に進める体制が整っていると感じています。疑問点があればすぐに先生方に相談でき、一つ一つ解決しながら前に進むことができるため、不安を感じることなく研究に専念できます。

●東北大学の良いところは?

総合大学であり、他分野の先生から指導を受けたり他分野との共同研究を行える点が、最大の強みであり良いところだと感じています。大学院にはアドバイザー教員という制度が導入されており、所属分野以外の教員から指導を受けられるシステムがある点も魅力の一つだと思います。私はこの制度を活用し、泌尿器科外来を見学し下部尿路機能について実際の臨床で学ぶ貴重な機会をいただきました。また、私の所属する分野では、他分野との共同研究に取り組んでいる大学院生が在籍しており、より専門性や新規性の高い研究の実現につなげられる環境が整っていると感じます。

周囲への感謝忘れず研究にまい進し、看護学の発展に貢献を

●今後の目標や抱負を教えてください

まずは博士号の取得を目標に、現在取り組んでいる研究に励みたいと思います。大学院に進学して改めて、日々こつこつと取り組むこと以外に目標を達成するための近道はないと実感しています。ご指導くださる先生方、サポートをしてくれる院生をはじめとした周囲の人に感謝の気持ちを忘れず、研究にまい進していきます。博士課程修了後は、微力ながらも看護学の発展に貢献できるよう、研究者として、研究により一層励んでいきたいです。

mylife

昨年度は、COVID-19の影響で自宅と研究室の往来が中心の生活でしたが、星陵キャンパスの保健学科棟前は自然が多く、とても癒やされました。写真は、星陵キャンパス内のしだれ桜です。形がとても立派で本当にきれいです。星陵キャンパス内は季節ごとに異なる花が咲き、研究の合間にも季節を感じることができて癒やされる、お気に入りスポットです。

 

写真1

PROFILE
保健学専攻
ウィメンズヘルス・周産期看護学分野 在校生
Women's Health Nursing & Midwifery
吉田 明莉
Akari Yoshida

2013年3月に東北大学医学部保健学科看護学専攻を卒業し、同年4月に東北大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程に進学。2015年3月に博士課程前期課程を修了し、同年4月より東京大学医学部附属病院の助産師として5年間勤務。2020年4月に東北大学大学院医学系研究科保健学専攻博士課程後期課程に進学した。現在は、産後尿閉に関する研究に取り組んでいる。