東北大学大学院医学系研究科・医学部

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研究室の刺激的な環境での学び、
論文の執筆から発表までの経験が
社会人になったいま、仕事に生かせる力に

インタビュー
公衆衛生学専攻
公衆衛生学分野 卒業生
阿部 咲歩
Saho Abe
修了年度:2018年度
修了学位:修士(公衆衛生学)
現在の職場:ロート製薬株式会社
2021.05.07

阿部 咲歩

研究に時間費やそうと進学
論文完成への道のりで得た経験

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

大学時代は東京農業大学で栄養学を専攻していました。4年生になって本格的に研究室活動が始まりましたが、就活をしてしまうと研究できる時間が短くなってしまうことから、進学しようと決めました。大学時代はヒトを対象にした栄養学の研究室(スポーツ栄養や公衆栄養学)に所属しており、もともと病気の予防などに関心がありました。大学院では栄養に限らず、より広い視点で健康について学びたいと思ったため、公衆衛生学専攻に進むことにしました。

●進学してみて、どうでしたか?

さまざまなバックグラウンドを持った方に出会うことができたのは、刺激的な経験でした。
また、入学当初は思ってもいなかった学びを得ていました。それは、社会人として仕事をしていく上で大切なスキルです。論文執筆から発表までの一連の経験は、社会人になったいま、誰にでも伝わるメールを書く、ポイントを押さえた企画書を書く、上司に伝わるようにプレゼンするといった多くの場面で生かされていると感じます。論文完成までは非常に長い道のりで、苦しいなと思うこともありましたが、振り返ってみればとても貴重な経験でした。

●研究テーマとそれを選んだ理由を教えて下さい

大学院時代の研究テーマは、「日本食の度合いと生存期間の関連」でした。栄養学を学んでいたので、食に関する研究をしてみたいと思い、また単一の食品ではなく食事パターン研究であることが面白いと感じ、まだ研究事例のなかった日本食と生存期間との関連について研究することにしました。

多様なメンバーと学びを深めた研究室での刺激的な毎日

●研究室の雰囲気はどうでしたか?

さまざまなバックグラウンドの方がいて、研究熱心な人が多かったと思います。社会人経験のある方、現役で仕事をされながら研究をしている方、留学生など、多様な方と一緒の環境にいられたことは刺激的でした。先生方は非常に細かくいろいろなことをご指導くださり感謝しています。

●東北大学の良いところは?

研究室には、大規模で長期間追跡しているコホートデータがあります。そのような大規模データを使って疫学研究ができるのは、素晴らしい経験になると思います。

大学院での経験生かし仕事にまい進
修了後に思わぬご縁も

●現在のお仕事について教えてください。また、大学院時代のご経験はどのように活かされていますか?

ロート製薬株式会社の人事総務部健康経営推進グループで働いており、論文執筆を通して学んだ経験が、仕事をスムーズに進めていく上で大いに生かされています。また、メタボ、運動、睡眠、貧血など、さまざまな社員向けの健康施策を立てる際も、大学院時代に学んだことが常に助けになっています。研究室の抄読会で学んだナッジについての考え方も、どうしたら社員を動かすことができるかといったことを考えるためのヒントになっています。
昨年度、スマートライフプロジェクトの一環で、「健康寿命を延ばそう!アワード」に応募しました。ロート製薬の禁煙の取り組みについて資料を作成し提出したのですが、なんと評価委員長が研究室でお世話になっていた辻一郎先生でした。修了後もこのようなご縁で先生と接点を持つことができ、大変うれしく思っています。

●今後の目標や抱負を教えてください

社内では3年後に向けてさまざまな分野で健康KPIを立てて、健康施策を立案、実行しているので、まずはそこできちんと成果を出したいです。また、副業ができる会社なので、副業にも挑戦したいと考えています。将来的には海外出向にもチャレンジしたいと思っていて、毎日英語の勉強に励んでいます。

mylife

休日は家事をまとめてしたり、映画を見たり、仙台駅の方へ買い物に行ったりしていました。私は地元が東京で、現在は大阪に住んでいますが、仙台駅は広いのに人が少なくて、とても買い物がしやすい場所だと思います。冬に点灯する光のページェントはとてもきれいなので、ぜひ見に行ってみてください。

写真1

PROFILE
公衆衛生学専攻
公衆衛生学分野 卒業生
阿部 咲歩
Saho Abe

東京都出身。東京農業大学応用生物科学部栄養科学科を卒業後、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻修士課程に進学。2019年に修了後、ロート製薬株式会社に就職。営業を経て現在は人事総務部健康経営推進グループに所属。
●関連リンク
日本食と生存期間との関連:大崎コホート 1994 研究