丁寧な指導受け研究の本質への理解深め、日本語も上達

●大学院に進学しようと思った理由を教えてください

もっと能力を身に付けたいと思って大学院に進学しました。学部での勉強はほぼ基礎的な知識なので、学んだことを生かすための経験を求め、また、海外の留学生活を経験したくて、学部3年生の時から日本への留学を計画していました。進学に当たっては、いくつかの大学院を見学しましたが、医用画像やデータ解析に力を入れている現在の研究室を希望して、進学しました。

●進学してみて、どうでしたか？

医用画像工学分野に配属され、もう5年半になりましたが、進学したての頃は何もかも不慣れで、言語もなかなか難しかったです。しかし、研究室の先生方や先輩がとても熱心にサポートしてくださったおかげで、日本語が上達しました。学部を卒業したばかりの私は研究経験が少なく、分からないことがたくさんありましたが、先生方は私の質問に答えるだけではなく、その回答の理由まで丁寧に教えてくれました。そのおかげで、研究の本質を深く理解できました。

膨大なデータを解析し、乳がんの早期発見に貢献したい

「乳房密度の非対称性における乳がんリスク解析：症例対照研究」というテーマの下、研究を進めています。私はもともとデータ解析の研究をしたくて、現在の研究室を希望しました。われわれの研究グループは約3万件のマンモグラフィデータを持っています。このデータを使って、従来の乳がんリスクファクタより新規性があるリスクファクタを発見することによって、乳がんの早期発見に貢献したく、この研究テーマに決めました。

研究に専念できる設備と雰囲気 連携や支援も素晴らしい

●研究室の雰囲気はどうですか？

医用画像のデータベースをいくつも持っており、最先端の深層学習を可能とする計算能力の高いワークステーションも備えていて、良い研究計画が立ったらすぐに実験ができる環境が整っています。そして、研究室の先生方はさまざまな分野の専門家であり、研究グループセミナーの時は非常に勉強になります。学生も積極的に勉強会や講習会などを企画し、指導先生との定期的な相談会を行い、研究に専念できる雰囲気があります。

●東北大学の良いところは？

大学全体に、研究したいことに熱中できる環境が整っています。以前、私の研究は医用画像データが足りない問題点があったのですが、その問題を解決するため、先生は新たなデータベースと研究プロジェクトを申請してくれました。さらに、分野内の指導先生だけではなく、病院の医師との研究相談によって、研究テーマの進み具合が良くなりました。そうした研究プロジェクトの連携や研究への支援が本当に素晴らしいと思います。とても感謝しています。

コロナ禍で大きな負担受ける医療に研究職として貢献を

●今後の目標や抱負を教えてください

博士号取得後は、医療データ解析や疫学と関係する研究職に就きたいと考えています。去年からの新型コロナウイルス禍によって、社会や医療機構への負担が大変大きいことを実感しました。そこで疫学や統計学の重要性を感じ、自分が学んだことも生かせるのではないかという思いもあって、就職を考えています。

まちの歴史や文化も含め最良の選択だった東北大学への留学

●日本の、東北大を選んだ理由を教えてください

外国人の私にとって、留学は学位を取ることだけが重要なのではなく、その行き先の歴史や文化も気になります。私はもともと日本への興味があり、山や海に近いまちに住みたくて、また、レベルに高い大学に行きたい思いがあって、東北大学が一番いい選択だと思いました。

●仙台の暮らしはどうですか？

仙台での生活は楽しいです。私は三条町に住んだ後、長町へ引っ越しました。長町は近年大規模開発が行われた新しいまちで、「ザ・モール仙台長町」があり、さまざまなジャンルの店舗があって、買い物にも便利です。週末は近くのフットメッセに行ってサッカーを楽しんでいます。高速道路にも近いので、時間があったらドライブも楽しめます。免許を取ってから3年の間に、東北地方の道路をたくさん走りました、去年は栃木県のいろは坂まで行きました。急な勾配とカーブを経験して楽しかったです。

星陵キャンパスのすぐ近くにある、珈巣多夢（カスタム）というコーヒー屋さんがお薦めです。本格的なハンドドリップコーヒーが楽しめるお店で、私はいつもアイスコーヒーを頼んでいました。マスターも奥さまもとっても親切で、マスターは写真に詳しいので、写真について話したり店の雰囲気を味わったりするのが楽しいです。