大学院説明会
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看護師として働き始めた頃は、まさか自分が進学したいという気持ちになるとは思ってもいませんでした。きっかけは、高度救命救急センターの先輩に誘われて学術集会に参加したことでした。そこで研究成果を発表したり、座長として議論が深まるよう促したりする先輩の活躍を見て、(いつもと違って?いつも以上に?)かっこいい!と感じました。臨床で感じている疑問を研究によって解決しようと試み、同じ思いを持った仲間と議論していく、そのような世界で私も活躍したいという気持ちが高まっていきました。それから自分が深めたい分野はなんだろうと考え始め、しばらく悩みましたが、思い切って進学を決めました。
とても充実した日々を過ごせました。ただ初めは、自分の能力の低さに直面し悲しい気持ちになりました。それでも、大学院の講義や研究活動を通して、一つ一つ目標を達成し、自らの成長を実感できました。学業に多くの時間を費やせるぜいたくな環境に身を置けたことに感謝しています。
看護師として高度救命救急センターで臨床経験を積む中で、集中治療を受けながらさまざまな苦痛を抱えている患者さんやその家族に関わってきました。そのような患者さんや家族に対して、全人的な苦痛を緩和するアプローチを充実させることが必要ではないかと考えました。「救急・集中治療領域における緩和ケア」は、欧米を中心に研究が進められているものの、わが国ではほとんどされていないことが分かりました。博士前期課程では、幸運なことに「救急・集中治療領域における緩和ケア推進プロジェクト」に参加させてもらい、調査事務局として「緩和ケアに対する医師・看護師の認識と実践状況に関する全国調査」に取り組みました。博士後期課程では、緩和ケアの質の評価と改善を目的として「集中治療室における質評価指標(Quality Indicator)の開発」に取り組みました。
大学院生や学部生だけでなく修了生も参加するゼミが週に2回開催されていて、さまざまな意見を出し合える良い環境でした。大学院生の経歴は多様で、臨床で看護師をしている方や、他の大学で教員をしている方、留学生も多く在籍しており、年齢や経験もばらつきがあるのが研究室の強みだと感じました。所属する学生が多いこともあり、学生間で互いに相談しやすく、学び合える環境であるのも良かったです。研究に関することだけでなく、歓迎会や送別会、どんと祭への参加など、イベントも盛りだくさんで楽しく過ごせました。
学ぶ環境が整っているところです。日本トップクラスの総合大学であり、毎週のようにセミナーやシンポジウムなど、多くのイベントが開催されています。所属する学生も多様であるため、自身の研究分野以外の領域に触れ、視野を広げることができるのも良いところだと思います。学生に対する経済的支援が充実しているのもありがたかったです。
秋田大学の医学系研究科保健学専攻の助教として働いています。研究だけでなく、授業や看護実習の業務もあります。大学間での違いはあるものの、大学院時代にティーチングアシスタントを経験していたことで、研究の指導や授業の構成について取り組みやすかったです。
こつこつと良い研究に取り組み続けたいです。自らの専門性を高め、研究成果を公表することで社会に貢献したいと考えています。そして、大学院時代に知り合った先生方や多くの仲間に感謝すること、新たなコミュニティーにも臆せずに参加することを大切にして精進したいです。
宮城県内には、すてきなキャンプ場がたくさんあります。自然の中でぼーっとたき火を眺めるのが、最高の癒やしです。
秋田県秋田市出身。秋田大学医学部保健学科を卒業後、看護師として東北大学病院に就職。脳神経内科・外科、高度救命救急センターで臨床経験を積み、大学院進学を機に退職。2021年3月に東北大学大学院医学系研究科緩和ケア看護学分野博士前期課程2年を修了し、2023年3月に同分野博士後期課程3年を修了した。主な研究テーマは「救急・集中治療領域における緩和ケア」。