2011年11月8日

軸索障害による視神経細胞死におけるカルパイン阻害剤の神経保護効果

 東北大学大学院医学系研究科眼科学分野 中澤 徹 教授らのグループは、緑内障の病態モデル動物に対して、カルパイン阻害薬を投与してその神経保護効果を確認しました。
 緑内障は40歳以上の約5%が罹患し、現在失明原因第一位の疾患です。働き盛りの成人が失明することによる社会的損失は大きく、失明予防の観点から緑内障治療の研究・開発は大変重要です。70歳以上では約10人に一人が緑内障を持つため、少子高齢化に伴い失明患者は更に増加することが予想されます。現在の緑内障治療はすべて眼圧下降に着目しており、それ以外の作用機序による治療法は存在しておりません。日本人は諸外国の緑内障患者と病型が異なり、全緑内障患者の約7割は眼圧が正常範囲である正常眼圧緑内障であるため、日本人の緑内障治療において眼圧降下と異なる新しい治療法の開発がとりわけ重要です。
 本グループは、緑内障の基本病態は「視神経乳頭陥凹拡大に伴う網膜神経節細胞死」であることから、その細胞死を抑制する神経保護治療の開発に着手しており、本研究において、カルパイン阻害薬 SNJ-1945を用い、緑内障病態モデル動物に投与することで、治療効果を明らかにしました。
本研究成果は、理化学研究所脳科学総合研究センター神経蛋白制御研究チーム 西道隆臣シニアチームリーダー、高野二郎研究員の協力と、千寿製薬よりカルパイン阻害薬SNJ-1945の提供を受け、東北大学大学院医学系研究科眼科学分野 中澤 徹教授と、同助教 劉 孟林らが文部科学省科学研究費 "若手研究A" の支援のもと、共同研究で行われました。
 研究論文は科学誌Journal of Neuroscience Research 電子版に2011年11月8日付で掲載されます。

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