2013年12月6日

胎児の造血ホルモンを生み出す細胞を特定-胎児期の造血メカニズムを解明-

 東北大学大学院医学系研究科の 鈴木教郎 講師(新医学領域創生分野)、平野育生 助教(分子血液学分野)、山本雅之 教授(医化学分野、東北メディカル・メガバンク機構 機構長)らは、赤血球をつくる際に必要となる造血ホルモン「エリスロポエチン(EPO)」を生み出す細胞がマウス胎児の神経系組織に存在することを発見しました。
 哺乳類の赤血球は、まず胎児期特有の臓器「卵黄嚢(らんおうのう)」でつくられます。その後、胎児の発達が進むと造血の場が肝臓に移行します。産まれた後は、骨髄で赤血球がつくられます。これまでに、胎児の肝臓での造血には肝臓から分泌されるEPOが必要であり、成体の骨髄での造血には腎臓から分泌されるEPOが作用していることがわかっていました。ところが、卵黄嚢が赤血球をつくる際にEPOを供給している細胞は不明でした。本研究グループは、マウス胎児の発育過程において最初にEPOをつくる細胞が神経上皮と神経堤と呼ばれる部位に出現することを発見しました。また、これらの細胞でつくられたEPOは、卵黄嚢での赤血球形成を促進することがわかりました。
 この研究成果により、長い間の謎であった胎児期の造血メカニズムの一端が解明され、哺乳類における造血機構に新たな知見が加わりました。本研究成果は、2013年12月6日(日本時間同日午後7時)に英国科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」のオンライン版で公開されます。

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