2019年10月15日

肺動脈性肺高血圧症の新規治療標的と治療薬候補を発見 - ドラッグリポジショニング:既存の感染症治療薬に意外な作用 -

 東北大学大学院医学系研究科循環器内科学分野の下川宏明教授、佐藤 公雄准教授、大村淳一医師の研究グループは、東北大学加齢医学研究所の呼吸器外科学分野と共同で、指定難病である肺動脈性肺高血圧症の新規病因候補遺伝子・タンパク質の網羅的スクリーニングを行った結果、これまで肺動脈性肺高血圧症との関連が全く示唆されていなかった新規病因タンパク質ADAMTS8を発見しました。
遺伝子改変動物およびヒト臨床検体を用いて解析した結果、ADAMTS8の増加が肺動脈性肺高血圧症の特徴である肺動脈を取り囲む細胞(肺動脈血管平滑筋)の異常な増殖と右心不全を促進することを明らかにしました。
さらに重要なことに、既存の感染症治療薬の一つであるメベンダゾールがADAMTS8を抑え、肺動脈性肺高血圧症動物モデルにおいて顕著な治療効果を示すという意外な知見を世界で初めて明らかにしました。寄生虫の治療において一般的に投与されているメベンダゾールが肺高血圧症の治療にも有用であると期待されます。

 本研究成果は、9月 26日(米国東部時間、日本時間9月27日)に米国心臓協会(American Heart Association, AHA)の学会誌である Circulation Research 誌(電子版)に掲載されました。

pagetop