2020年3月27日

呼吸器疾患吸入薬が風邪コロナウイルスの炎症を抑える仕組み

 風邪の症状を引き起こす風邪コロナウイルスに感染すると、慢性気管支炎などの慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息が悪化する場合があります。
東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座の山谷睦雄教授らの研究グループは、一般に使用されている呼吸器疾患吸入薬が風邪コロナウイルスの増殖と炎症を誘導する物質の放出を抑えることを明らかにしました。呼吸器疾患吸入薬のうち、気管支拡張薬は細胞表面のウイルス粒子受容体を減らすことでウイルスの吸着を抑え、また、ウイルス粒子の細胞内への取り込みに必要な構造(酸性エンドソーム)の量を減らすことで、結果的にウイルスの増殖を抑えていることが明らかになりました。さらに、呼吸器疾患吸入薬は、慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息を悪化させる炎症を引き起こす物質の放出を抑えました。呼吸器疾患吸入薬のこれらの効果が、風邪コロナウイルス感染時における慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息の悪化に対する予防に貢献していると考えられます。

 本研究成果は日本呼吸器学会の英文誌『Respiratory Investigation』の電子版に、2月21日に発表されました。

*本研究で使用した風邪コロナウイルスは新型コロナウイルスとは異なるものです。

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