2010年10月15日

抗体産生を調節する遺伝子回路を発見 自己免疫疾患やアレルギーに対する治療戦略開発へ向けて

抗体は形質細胞から分泌され、細菌やウイルスなどから体を守る重要な役割を担っていますが、その産生に異常があると膠原病など自己免疫疾患注1やアレルギーの原因となることもあります。形質細胞はBリンパ球から分化し、この分化はマスター調節因子Blimp-1により促進されますが、その制御の機構はこれまで十分に解明されていませんでした。このたび、東北大学大学院医学系研究科細胞生物学講座生物化学分野の武藤哲彦講師、五十嵐和彦教授のグループは、東北大学国際高等研究教育機構、広島大学原爆放射線医科学研究所などのグループと共同で、転写因子注2Bach2(バック2)がBlimp-1(ブリンプ-1)遺伝子に結合し、その発現を抑えることにより、形質細胞分化と抗体産生を抑えることを発見しました。Bach2を持たないB細胞は形質細胞への分化が亢進することから、Bach2とその遺伝子回路は、自己免疫疾患やアレルギーの治療標的となる可能性が考えられます。この発見は欧州の学術誌The EMBO Journal(欧州分子生物学機構誌)の電子版に10月15日に発表されます。

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