2011年4月5日

網膜剥離が生じるメカニズムの解明への一歩(腫瘍壊死因子が眼の光受容体の細胞死を促進する)

東北大学大学院医学系研究科視覚先端医療学寄附講座の中澤徹准教授らのグループは、網膜剥離のマウスモデルにおいて、腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor)が眼の光受容体を持つ視細胞の細胞死を促進することを解明しました。網膜はカメラに例えるとフィルムに相当し、視細胞は光を感じる物質(感光体)を持ち、物を見るためには不可欠な細胞です。この視細胞が障害を受けると視力低下の原因となります。目の病気では、網膜剥離や、新生血管を伴う加齢黄斑変性症などにより視細胞が障害されます。しかし、これまでこれらの失明につながる疾患において発症のメカニズムははっきりわかっておりませんでした。特に網膜剥離による視細胞死についてほとんど知見がありませんでした。今回の研究で、腫瘍壊死因子(TNF:Tumor Necrosis Factor)αが、網膜剥離によって誘導される光受容体の変性において重要な役割を果たしていることがわかりました。今後、網膜剥離の予防においてTNFαが重要なターゲットになることも考えられます。TNFαは抗体医療やリウマチなどの全身疾患でも重要なターゲットであり、それらの薬剤が網膜剥離による視細胞死に有効な治療になる可能性があります。

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